『ザッソウ 結果を出すチームの習慣 ホウレンソウに代わる「雑談+相談」|倉貫義人』
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ザッソウラジオを聞いてる身からすると、目新しさや新しい深さはないのだけど、ポイントはそこじゃなくて、言うのは簡単だけど、価値観も含めて身体感覚・身体動作として実際にやることの難しさと効果性にあふれた内容なんだろう
【引用】また、依頼ではなく相談から入ることで、相手の知見を得て、より良い解決策が見つかることもあります。
ザッソウ 結果を出すチームの習慣
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Highlights & Notes
> ザッソウとは、職場で行われる気軽な相談であり、はたから見ると雑談のようにも見える「対話」です。
> また、ザッソウには「雑に相談する」 という意味もあります。自分なりに結論が出てから相談するのではなく、まだ考えている途中、状況をつかみきれていない状態であっても相談していいのです。 結論が出てからの相談は、実際のところ相談ではなくて報告だったりして対話にならないことがあります。 それでは相談される側も身構えてしまいます。それが最初からザッソウだとわかっていれば、相談する側もされる側も安心して気軽に話をすることができます。 雑な段階で相談をすると、たとえば何かをつくり出す仕事ならば、早めに完成イメージを確認できて手戻りが減ります。悩みに悩んで時間を浪費するよりも、雑でもいいので相談すれば解決の糸口が見つかるかもしれません。何より雑談は気分転換になります。
> 仕事の中身で悩むならいざ知らず、「相談しようか?」「相談しても大丈夫か?」と悩んでしまう時間は、非常に無駄でもったいないことです。とはいえ、それに対して「強い気持ちを持って相談して!」というのは酷なアドバイスですよね。
> 問題なのは、効率化を追求するときについ数字で目に見える部分や、すぐ効果の出る部分にだけ力を注いでしまうことです。 経営者は財務諸表や株価だけを、管理職は売上とコストの数字だけを、働く社員は定められたノルマと成績だけを見るようになると、その数字に現れていない部分が欠落してしまうのです。 組織を運営するために数字は欠かせないものですが、あくまで結果や状態を示すものであるべきです。 では一体、数字の裏に隠されているものとは何なのでしょうか。
> というのも、相談は伝えて終わりではなく、未来に向けて内容を話し合う必要があります。つまり、ホウレンソウのうち 相談だけが、決まっていないことを議論して、仕事を前へ進める役割 があり、それだけ大事だといえるのです。
> 基本的にアイデアは、その人の過去の経験から生まれます。実体験に限らず読んだ本や見た映画なども含まれます。そうした経験を蓄積した人生というインプットがあるからアイデアが出るのです。
> 「ちょっといい?」の良いところは、大きな話になる前に確認したり、相談に乗ったりできること です。少しずつ話をしていくことで「ちょっといい?」のちょっとが、本当にちょっとの時間でできるようになっていきます。
> ホウレンソウでやっている業務上の情報共有には当てはまらない「非公式な雑談や対話」こそが、実はチームを支えるコミュニケーション だったのです。
> また業務上の報告や連絡だけになると、その組織に所属しているのかどうかさえ不安になってしまいます。同じ組織に所属していながら雑談さえできない関係では仲間意識が薄れ、離職者が増えることにつながってしまいます。
> 誰かに言われたから情報共有をするのではなく、目的達成のために必要なら雑談でも相談でもする し、チームの成果が意識できていれば雑談が目的化してしまうことはありません。
> ザッソウの習慣をチームに広げていく際にもっとも重要なことは、ザッソウそのものを無理やり取り入れないことです。それよりも、 ザッソウが自然と生まれてくるような人間関係や環境に力を注ぐこと から始めましょう。
> たとえば新しい商品企画の仕事があって「売れる商品をつくれ!」と言ったとしても、それを指示とは呼べません。かといって、部下にどういった商品なのか事細かに指示をするくらいなら、もはや自分でやってしまった方が速く仕事が進みます。 これはクリエイティブな仕事における宿命みたいなものです。最終的に手を動かす人に、具体的な成果物の中身や品質が任されてしまうのです。上司や依頼者は、でき上がってきたものにダメ出しや助言などのフィードバックをすることしかできません。
> オランダのビュートゾルフという在宅ケアサービスの組織が実現したことで注目され、パタゴニアなどの有名企業の他、日本でいえば不動産業界向けのITサービスを提供するダイヤモンドメディア株式会社も事例として挙げられます。
- 武井浩三
> つまり、相手は誰であってもいいのです。 こんな風に自分勝手に話しているうちに自己解決することを「テディベア効果」と呼びます。 このクマのエピソードから私たちは、原因不明の問題にハマったときに「ちょっとクマってほしい」と言って仲間に話しかけるようになりました。相手はクマになったつもりであいづちを打って聞いてあげます。そうすると、大体のことは自己解決することができます。「クマってもらう」、これもザッソウの1つです。
> そのため大前提として、 人と人とのコミュニケーションにおいて、「一度で伝わる」「完璧に伝わる」という考えは捨ててしまった方がいい でしょう。 一度で伝わる完璧なコミュニケーションを目指すよりも、ザッソウを使って何度も軽く伝える方がうまくいく可能性が高いのです。
> また、 依頼ではなく相談から入ることで、相手の知見を得て、より良い解決策が見つかる こともあります。 たとえば、デザイナーにポスターを制作してもらったとします。その修正依頼で「ここは目立たせたいから、大きな文字にしてほしい」と依頼をするのか、「ここの部分があまり目立っていないんだけど、どうしたらいいだろう?」と相談するのか、の違いです。 後者のように相談をすれば、「文字が目立たない」という問題を解決するために、文字の大きさを変える以外の提案を、自分だったら思いつかないプロの視点でしてくれるかもしれません。
> 人が組織で働いているとき、悩み、考えることは大きく2種類あります。 1つは「目の前の仕事をどう解決するのか」「どうやって価値を出すのか」など仕事の進め方に関すること。もう1つは目の前の仕事の話ではなく、もう少し外側から見た「自分のキャリアや将来」に関することです。
> モヤモヤした状態だと上司の時間を奪ってしまうことに遠慮してしまう。一方で、結論が出てからだと話しかけやすくなるけれど、すでにそれは相談ではなくなってしまっているというジレンマです。 この状況を打破するのもザッソウです。
> ナレッジは伝える側である上司や先輩が持っている具体的な経験と、今、目の前にある具体的な問題や状況が組み合わさって伝わるものなのです。そのため、前提となる文脈が高度すぎて形式知にすることは非常に難しいのですが、雑談や相談といった口頭でなら微妙なニュアンスも伝えることができるのです。
> ホウレンソウで上司に相談して確認するのもいいですが、それでは上司に決断を委ねてしまうことになって決断する経験を得ることはできません。 ザッソウの良い点は、その場で決断をしなくてもいいということです。これまでなら上司からしてみると、「相談されたら代わりに決めてあげないと」という気持ちになってしまいますが、ザッソウであれば話を聞くだけでもいいのです。そうすると、最終的には本人が決めるしかありません。
- DXO
> そのふりかえりの中で、上司やマネージャは「自分だったらどう考えたか」という価値観を共有しましょう。メンバーにとって、どう考えて決断するのかというプロセスを学ぶことが重要だからです。そんな決断プロセスを教わる機会は、普段の仕事の中ではあまりありません。
> こんな風に、1人ひとりが考えている働きやすさをできる限り実現するためには、「どんな理想を抱えているのか」「どんな悩みを抱えているのか」を普段から知っている必要があります。公式なホウレンソウであればこうした話を引き出すことは難しいでしょう。やはりザッソウがあるからこそ知ることのできる情報なのです。それに、どこまで実現できるかは状況によりますが、何よりも自分の人生や働き方に関する相談を気軽にできる状況こそが、本当の働きやすさではないでしょうか。
> 「許可を求めるな、謝罪せよ」という有名な言葉があります。何かに取り組みたいと考えたとき、許可を得るためにいろいろと準備や確認にコストをかけるよりも、行動してしまった方が良いという行動指針です。この言葉は多くの会社員に勇気を与えたのではないかと思います。 とはいえ、「結局はダメだったら謝罪するのか」と思うと少し気が重いですよね。 そこで許可を求めるまではいかなくても、普段からザッソウしておくことです。 ザッソウによって関係性ができていれば、謝るときも深刻な感じでなく、お互いに笑って許し合うことができます。「許可を求めるな、ザッソウせよ」でいきましょう。
> しかし、それなりにうまくいったとしても 70 点どまりになってしまうのは、まだフォーミングの状態だからです。本音で意見をぶつけ合えないのは、どこかで自分事と思えず、意見を言っても仕方ないと諦めている部分があるからです。 何事も全員の合意形成で決めようとするのも、この段階の特徴です。それではスピード感もなく大きな成果を出すことはできません。
> フォーミングによって意見が言いやすい状態になったからこそ、各メンバーは自分の考えや理想の組織運営や体制ついて意見を言い出すようになります。このときゴールや成果に目を向けるよりも、チームの内部のことや他のメンバーの考えなどが気になるようになります。これを前向きに捉えるのがストーミングです。
> 「ストーミング」に入ると、残念ながらフォーミングの状態よりも生産性は下がってしまいます。意見の対立が起きてしまうのだから仕方ありません。そこで「まぁまぁ」と仲介し、それぞれに納得してもらって元の生産性に戻そうとするのが、一般的な管理職やマネージャの仕事なのですが、それが 70 点のチームをつくってしまう原因なのです。 ここを乗り越えるポイントの1つが、このタックマンモデル自体をチームや関係者全員で共有することです。 ストーミングの段階を乗り越えることでチームが一皮むけて次の段階に進めると信じることができれば、生産性の低下も前向きに捉えることができるようになります。
> ツールを使って雑談するときの注意点は1つ。雑談専用のツールを用意する、雑談専用の場所を用意するのはやめた方がいい、ということです。
> それは「自分の書き込みが、参加している全員の未読として残るのは迷惑ではないか」と考えてしまうからです。実際のところ、 30 人の参加者がいて全員があいさつをしたら、それだけで朝から 30 件の未読が増えてしまうことになり、さすがにそれは邪魔になります。
> 朝、自宅のパソコンからログインするだけで出社することのできる仮想オフィスに、毎日メンバーたちは出社して働いています。通勤はないけれど出社はあるわけです。私たちは、この仮想オフィスで時間と空間を共有しています。
> 仮想オフィスによって私たちは、働いている場所がバラバラなのに、むしろオフィスにいるより雑談をして、ワイワイとコミュニケーションを楽しみながら働くことができています。私たちの体験からわかったのは、リアルやバーチャルに関係なく、時間と空間のそろう「場」があることで、ザッソウは生み出されるということでした。
> チームの目標や目的、さらにいえばビジョンのようなものが共有されているのは「状態」なので、一度でも共有すれば終わり、というわけにはいきません。 その状態を維持していくために、ある程度のコストをかけていく必要があります。
> また、ストレングスファインダーを行ううえで大事なことは、「強み」とは本人が努力しなくても発揮できる素養であると認識することです。もし上司が自身の強みを理解しないでいると、周りにも自分と同じ強みを強要することになりかねません。そうなると、同じ強みを持っていない人を無意識のうちに苦しめることになってしまうのです。
> つまるところ、雑談に苦手意識があると言っている人は、スマートに雑談をしたいと考えているのではないでしょうか。 雑談なんて、しょせんは雑談です。そこに上手も下手もありません。相手がどう思おうとも、それで何かしら実になるものがなかったとしても構わないのです。それくらいの気持ちで臨んでみてください。
> 順番を整理すると、チームをつくって結束を高めてから仕事に取り組むことで成果が上がるのではありません。 チームでザッソウしながら仕事に取り組むことで成果が上がり、それを続けていくことで結束も高まり、さらに成果も上がっていくのです。 チームで成果を上げることこそ結束を高めるチームビルディングであり、成果と結束は同時に起こっているのです。それを促進するのが雑談と相談、すなわちザッソウです。
> 業務改善のためには「見える化」と同時に「言える化」できる関係性をつくらねばならないのです。もちろん、そこにもザッソウが有効です。
> 社員同士で仕事に直結しなくてもいい話をする場があることで、実体をつかめなかった会社というものが、そこでザッソウし合っている人たちのことであるという感覚を持てるようになったのです。
> それまで別の部署で働く人たちのことを、「人事部が~」「経理部が~」と言っていた人たちが、そうした別の部署にも人がいて、自分と同じように一生懸命に働いてることを知ったことで、「人事部の佐藤さん」「経理部の佐々木さん」といったように人として認識できるようになりました。 ザッソウを通じて社内にいる人たちのことを仲間と思えるようになったのです。それによって、それまで血が通っていないと感じていた会社の制度や取り組みに興味を持つようになり、自然と協力しようという気になりました。たとえ大きな組織であっても、そこにいるのは人であることは間違いがありません。だからこそ、組織の大小にかかわらず人間関係を構築することでしか変えていくことはできないのです。
> 自重で崩壊
> 今回、そうした仕事や働き方に関する気軽なコミュニケーションを「ザッソウ」として再定義したことで、私自身も気持ちが楽になりました。ザッソウだったら、何気ない雑談が苦手な自分でもできるかもしれない、と。
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#2025/11/17
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倉貫義人