『「OKR最大の効果は、対話型組織の開発にある!?」実践者に聞いた、OKR導入・運用の心構えと実例 | パラれる|プロフェッショナル人事を経営の味方に』
<抑えるべきポイント一例>
・上下OKRの整合性を意識する
・KR設定のSMART原則を守る(特に計測可能と時間軸)
∟Specific=具体的で分かりやすい
∟Measurable=計測ができる
∟Agreed upon=達成可能である
∟Realistic=現実的である
∟Timely=期限が明確になっている
・アライメント効果を創出するためのアサインに気をつける
∟アライメント= 方向性を合わせて協力体制を作り、メンバーの貢献を最大化すること
・自信度ミーティングや健全性指標を活用し、健全な目標を設定する
∟自信度=設定したKRを達成する自信度を10段階で自己申告するもの。一般的に5~6が適切。
1.ムーンショットとルーフショットのバランス
OKRには2つの目標設定方法があります。
①ムーンショット(月に届くほど非常に高い目標)
②ルーフショット(屋根に届く程度の実現可能な目標)
OKRは本来、全てをムーンショットで掲げた方が効果は出やすいものです。しかし、実際の組織でいきなりそんな設定をしてしまっては、ただただメンバーは「高い目標を課せられた…」と感じるだけで、絶対に動いてくれないでしょう。そのため、「ムーンで挑戦するところ」「ルーフで必達するところ」を議論の上切り分けて設定し、ツリーの中に入れ込むような形にしました。
「ちょっとやってみてダメだったから元に戻そう」
これがOKR運用において陥りやすい失敗の1つです。繰り言になりますが、OKRは簡単には導入できません。多くの書籍でも書かれている通り、最初は必ずと言っていいほど失敗します。私たちも多く失敗してきました。
ちょっとの失敗でダメだと見切りをつけてMBO(Management By Objective:目標管理によるマネジメント)に戻すのは簡単です。ですが、組織のカルチャーや土壌を整えることが一朝一夕ではできないように、OKRの効果もじわじわと出てくるもの。私たちが一定の成果を出せるようになれたのも、OKRの効果を信じてやり抜いたからに他なりません。OKRへの理解が深まるほど、OKRは目標管理ではなく組織開発に近いものだと思うようになりました。
「OKRはちゃんと運用できればすごく効果が出ます。自分のWILLと組織の目標がリンクしたときのやりがいは計り知れない。OKRがきっかけとなって、もっと幸せにはたらける人と組織が増えたいいなと思います」
試行錯誤を繰り返して成果を出した木元さんの言葉は、とても説得力のあるものでした。OKRの導入は失敗も多く、新しい取組みのため社員の理解が得られにくいこともあるでしょう。
しかし、そこで諦めずにチャレンジを続けること。そしてOKRを「単なる目標管理ツールではなく、個人と組織が同じ方向を向いて気持ちよくはたらくための組織開発ツールである」と捉えること。ここにOKR導入の成否がかかっているのではないでしょうか。
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