第四十四章には前代未聞の宿屋の冒険が続く。
実際ドン・キホーテの叫び声は非常に大きかったので、亭主は大急ぎで宿屋の門を開けて魂消て飛び出しながら、だれがそんな声を立てたのかを見ようとて走ってきた。そして外側にいた人々も亭主につづいた。ちょうどこの時この同じわめき声で目覚まされたマリトルネスは、それと覚って藁置き部屋へ|走《は》せ上がり、だれでも見られずに、