21-04.動作強調構文
このページでは動作強調構文について説明している。
動作強調構文
動作強調構文とは、文中の動詞を強調するために用いられる構文である。一般的には時制や人称の情報が主動詞から遊離し、動詞suに現れる現象を指す。
Ja klaus omle.
私はりんごを食べる
Ja suis klaue omle.
私はりんごを食べはする
Ja suines klaue omle.
私はりんごを食べはした
日本語で言えば、連用形+は(も)+する(した)のような形で表現される文であり、英語の強調のdoのように後ろに続く動詞が原形不定詞を取るようになる。
なお、強調したい動詞が日本語に訳した時に「~(連用形)はする(した)」のように訳すことができる場合は後ろに直接もとの動詞を続ければよいが、「~(連用形)もする(した)」としたい場合は前置詞を伴う。
Ja suis tuneh klaue omle.
私はりんごを食べもする
Cja na suinet tuneh muie jat stoj.
彼は私の話を聞きもしなかった
Ja na saines (tuneh) kvae, tas muie.
Ja na saines (tuneh) kvae, na saines (tuneh) muie.
私は見も聞きもしなかった
ただし、「AもBもしなかった」など言及する動作が複数となった場合、最後のものに前置詞tasを加えれば、残りの動作については前置詞が任意となる。
「〜てはいる」「~てはある」構文
Ja dais kvast sa. / Ja dais kvastoi al sa.
私はそれを見てはいる
「~てはいる」の意味合いを出したい場合、daを条件法の活用にすれば表現可能である。なお、上記はdaの時制が現在となっているため、その動作を過去にした動作であると伝える場合には過去形にしなければならない(未来の場合は現在時制で表現可能である)。
Putom ja dais kvastoi.
明日、私は(それを)見ている
また、daの直後の動詞は現在分詞形を取るが、語幹用法であればその直後に直接目的語を置くことができるが、準体法を使用する場合は、本動詞のdaだけでなく現在分詞もまた主語の数に一致することとなる。さらに、直後に直接目的語を置く場合でも前置詞alを置く必要がある。
「~てもいる」「〜てもいない」構文
Ja dait tuneh kvastoi al cjao.
私は彼を見てもいる
Eih na deus tuneh kvasteo al cjao.
私たちは彼を見てもいない
「~てもいる」「~てもいない」構文の場合、条件法で活用した動詞daの直後に前置詞tunehと、本来の動詞を現在分詞に活用して置く必要がある。この時、現在分詞は必ず準体法にしなければならない。これは、前置詞の直後に動詞句を直接導くことはできず、名詞句でなければならないことに起因する。準体法の分詞は名詞としても扱われるため、このような活用が必須となっているとも言われるが、あくまで慣用表現であり、実際他の場面では前置詞の直後に動詞句が導かれることがままある。
「~てはある」構文
Ja das klaust omle.
私はりんごを食べてはある(いる)
Ja danes klaustoi al omle.
私はりんごを食べてあった(いた)
動作が完了しているタイミングを視点とした場合、daは直接法で使用される。
「~ておく」「~ておいた」構文
Ja muos feu klaust omle.
私はりんごを食べておく
Cjeih muonot feu klaustoi al omle.
彼らはりんごを食べておいた
「~ておく」構文の場合はmuoe feu (現在分詞句)という表現が用いられる。この時、現在分詞は準体法とした場合であっても主語の数に一致しないため注意が必要である。現在分詞を複数形にした場合、「~しておく」という動作が複数回行われたことを意味することとなる。
敬体
ほとんど使用されることはないが、敬体が存在している。敬体の場合はsuのかわりにvaseuleという動詞が用いられる。
助動詞の動作強調構文
動作強調構文において出現するsuであるが、助動詞の場合は少々事情が異なってくる。助動詞文を強調する場合、suは活用せずに助動詞の語尾と一体化する。助動詞の一覧については03-05.助動詞を参照のこと。 体 人称 活用形
常体 一人称 -s'u
常体 二人称 -tz'u
常体 三人称 -t'u(古くは-tz'u)
敬体 一人称 -m'aseu
敬体 二人称 -f'aseu
敬体 三人称 -l'aseu
suは一種の見方によれば、助動詞と分析されることがある。そのため、助動詞文においては本来の助動詞がその位置を占めているためにsuがその位置に入れないためにこのような現象が発生するとされている。
なお、敬体ではsuの敬体であるvaseule(uaseule)に由来する形が接続している。語尾の-leが脱落しているのは、常体の影響とする説と音韻変化の結果とする説が混在している。常体の三人称が古くにおいては語尾が-tz'uであったが、これは活用語尾の-tとsuが縮約した結果であった。しかし、使用頻度が低いためか人称語尾におおいに影響され、現在のような形になっている。
体 人称 活用形
常体 一人称 -sta
常体 二人称 -kta
常体 三人称 -t'a
敬体 一人称 -mso
敬体 二人称 -fso
敬体 三人称 -l'o
suと同様に、daもまた助動詞直後につく場合がある。なお常体はda、敬体はsoleに由来する語形に由来している。三人称においては縮約が発生しており、マーカーとしてアポストロフィが必要なため注意が必要である。