お手玉の小豆
かあさんは、赤いお手玉をひとつ、トンと手のひらにのせていいました。 「ほれ、この中には、きっとあずきがぎっしりはいってるよ」
かあさんのほおは、いつになく赤くかがやきました。
「さあ、これをみんなほどいて、あずきをだすんだよ。ひさしぶりに、おだんごをつくろう」 かあさんは、たすきをかけると、はさみを持ってきました。
思ったとおり、お手玉の中には、つやつやと赤いあずきがぎっしりはいっていたのです。 かあさんは、あずきをにます。三太郎は、それを、古いすりこぎでつぶします。ひさびさのたのしい仕事は、夜あけまでつづきました。