ダンスのアーカイブ化とデジタルアーカイブの現状
中島 那奈子
抄録
生きる身体をメディアにするダンスはエフェメラルな時間芸術であり、ものとしての作品概念を決めることは難しい。ダンスはデジタル化と共に、時と空間をどのように超えるのだろうか。歴史的にダンスの発展を民間が担ってきた日本では、ダンスのデジタルアーカイブも、傑出した舞踊家の遺産を民間が大学に委託するケースが多い。ただ国内外ともにダンスアーカイブは、ダンス資料を使った企画や創作を実施する。ダンス研究の動向を踏まえて、日本とドイツ、米国のダンスのデジタルアーカイブを概観しながら、歴史のリエンアクトメントやデジタル化によるダンス世界の再構築を考える。