著作権法 vs 契約 (rush/20/04/21)
Twitterで、著作権について疑問を持ってた人が居たので凸って解説しちゃいました。
今回はそれで少し勉強した内容を記しておきます。
利用規約と著作権についてです、きっとみんなにもお役立ち情報かと
※注意:私は法学徒ではありませんし、調べた内容はできるだけ正しく書いているつもりですが責任は取れないので注意してください。
さて、よく利用規約に「無断複製を禁じます」といった条項がありますよね。
実はこの条項が有効かどうかは、学説によって分かれるのです。
まずは基本的な法律の周辺知識をおさえます。
契約自由の原則
契約とは、社会の根幹をなすものなので、人と人の間の私人間の契約には無闇に国家は介入するべきでないという考え方。
公の秩序に反したり、法律に決められた強行規定に反したりしない場合はね。
契約の考え方
契約とは、私人の間で交わすものですが、そもそも法律には様々な私人間の関係が記されています。
その中で、特に重要な強行規定と任意規定というものがあるのでご紹介しておきます。
そもそも、契約というのはイメージで言えば、民法をオーバーライド(オブジェクト指向的な意味で使っています)した上で作っているものです。
要は、契約書に書かなかった内容については、民法が参照されますし、逆に契約書に書いた内容については民法より契約が優先されます。(契約はその時の具体的な事案のためのもので、民法は一般的なものだから抽象度を考えれば当たり前ですね)
そして、契約によりオーバーライドすることが出来る法律の規定のことを、任意規定といいます。
任意規定は「別段の意思表示が無い限り」みたいな文面とともに書いてあることが多く、契約で言及した場合にはこの任意規定は参照されません。
それに対して全ての条項を任意規定とするわけには行きません。例えば労働基準法なんてそうですね。
そこで、契約によっても上書き出来ない規定のことを強行規定と言います。
著作権の考え方
あまり複雑にすると難しいので、まずは今回の話に必要となる著作権の考え方を解説します。
そもそも著作権は、著作権(財産権) と 著作者人格権(人格権) に分けることが出来ます。
財産権としての著作権は、その著作物を財産とみなしており、これは譲渡出来ます。
財産だから、ですね。相続をすることも出来れば、売ることだって出来ます。
それに対して、著作者人格権は、人格権(その人の人格は守られるべきであるという権利)であり、一身専属権というものなので、譲渡出来ません。
よって、「著作権及び著作者人格権を譲渡します」という契約がありますが、これは基本的に無効となるので注意しましょう。
さて、今回の対象となる著作権は著作権の中でも「複製権の独占」ですね。
この複製権は、財産権に含まれるので譲渡可能です。
無断複製の禁止
さて、無断複製についてです。
そもそも、無断複製を禁じる法的根拠は、先程も述べたように著作者の著作権(財産権)です。
しかし、この著作権には一定の制限規定が設けられています。
例えば著作権第30条 「私的利用」などです。
つまり、私的利用をするための複製は、(一定の条件付きで)著作者の著作権の侵害に当たらないという条文です。
制限規定は、強行規定か?
薄々感づいているかもしれませんが、無断複製を禁止出来るかという議論は、この制限規定が強行規定か否かということになります。
つまり、契約で上書き可能なのか、契約で上書きが不可能なのかという議論です。
結論から言うと、判例もほとんどなく、議論が成熟していません(意見の別れる問題です)
文科省や経済産業省の作業部会でも、明言を避けているようです。
そして実は、コピーガードを掛けているプログラムを解凍・実行する際に契約を要求する「シュリンクラップアグリーメント」と呼ばれる契約形態については、よりややこしい議論となりますが、これはまた別の記事に譲ることとしましょう。
最近情報の勉強してねー!!!!
やべー!!!!
ってか最近自分の頭の悪さ(能力の低さ?)に絶望してる、死にて~~ってなってる(そこまで深刻ではないです)