キーボード配列を変えてみた
https://www.youtube.com/watch?v=iKSnUOVDimM
この動画を見て、おもろそ~と思って、キー配列を変えてみた。
それで一ヶ月くらい経って、もう入力に支障がない(元と同じか、少し遅い)レベルに達した。
その過程で知見がけっこう貯まったのでここに投棄していく。
よかったこと
手をほぼ動かさずにタイプできるようになった
英字の配置を変えたついでに記号、BackSpaceとEnter、IME切り替え等のキーを全てホームポジション周辺に移した(配置は後述)結果、使うキーは40キー程度まで減り、他のキーはなくても困らないところまできた。
手が動かなすぎて怖い。動かさなすぎて手が痺れるくらいに手を動かさずにタイプできるようになった。むしろ痺れるところがデメリットかもしれない。
タイピングが少し楽しくなった
今まで「無」の感情でタイピングしていたのが、カスタマイズしたことによって愛着を持ってタイピングできるようになった。
たぶん速くなる
まだ初めたばっかりで前より速くはないけど、気になるほど遅くないし、これからもどんどん速くなりそうな予感はする。
QWERTYだと速くタイプしようとすると手首とかけっこう動かすことになって、普段のタイピングで全速力を出す気にはなかなかなれなかったのが、手の動きがなくなって全力投球にいっさい抵抗がなくなったのも大きいです。
よくなかったこと
QWERTYを忘れた
今まで十数年タイピングしてきて、ぜったい忘れることのないと思っていたQWERTYのレイアウトを、忘れました!10日くらいで。
しばらく触れば感覚をとり戻すと思いますが、少なくともQWERTYのタッチタイピングをすぐにはできなくなりました。
これはかなり致命的で、外でPC使うときによちよち入力しかできなくなったわけだし、外でなくともandroidの英字入力はqwertyを使うしかない。どうしてくれるんだ(自己責任)
思考のメモリがそこそこ食われた
配列を変える前は習得が大変なんだろうなというイメージを新配列に抱いていたが、それは自分の場合それほど問題にはならなかった。ただ、それに付随するもろもろに思考のメモリをけっこう食われた。
Windowsでキーボードの設定を変えるとなるとAutoHotKeyなるソフトで簡単なプログラムを書きキーボード入力に変更を加えることになるのだが、その仕様を調べて、「ほーん3つ以上の組合せキーはできないわけね」などといろいろ考えることになる。
さらに、一度キー配列を変えるとキー配列を変えるという選択肢が生活に入り込む。
せっかくだからとベストな記号の配置を求めてけっこう試行錯誤する羽目になった。
配列変更はおすすめできるか
設定とか習得を楽しめるならアリ、 そうじゃないならナシだと思います。
現代で生きている限りQWERTYを使うことから逃げるのはかなり厳しく、どうしても家のパソコンだけ新配列にすることになるので、そこと折り合いをつけていくことになります。
配列を変えるとタイピングは確かに快適になりますが、QWERTYでも軽めのカスタマイズでだいぶ良くなります。
AZIKのほか、CapsLockをバックスペースにしてコロンをEnterにしたりするカスタマイズがおすすめです。PowerToysやGoogle日本語入力の設定で実装できてソフト依存性が低いです。
あと、キー配列頑張って習得するんだったらピアノとか覚えたほうが本当はぜったいいいと思います。
大西配列、どう?
良いです。インディーズのローマ字配列の中ではとりあえずこれ的なポジションだと思います。
配置が綺麗で覚えやすい。二重母音がすごく打ちやすい。作者が宣伝をうまくやっているため日本語代替配列の中では唯一これからシェアが広がる見込みがある。
最初はbとkの位置がちょっと押しづらかったけどすぐ慣れました。ただzだけはzxcv維持の副作用でqwertyのあんまりよくない位置のままなので、私はそこを改変して使っています。
私はもう変えるの嫌ですが他の配列についても検討はしたので所感。
Colemak
準標準配列で英語キーボードならスマホでも使える、英語に最適化されている、日本語も悪くないというところでよさげ。QWERTY以外のメジャーな配列を使うならこれだと思う。
かな入力系配列(親指シフト、新下駄等)
日本語の文章入力がメインの人や速度を求める求道者ならいいかもですが、単打でひらがなを出せるというのはいろんなソフトを使う上ではショートカットキーがIMEに吸われるぶんむしろデメリットのように感じます。
ローマ字入力でもちょっと練習すればだいたいのひらがなは同時押ししてワンタッチで出せるし、シフトでどうせ2キー押すならローマ字と大差ないんじゃないかという
あとキーボードエミュレーターに依存しているのもメンテナンスの観点で微妙。DvorakJとか配布終了しているし。複雑な組み合わせキーを使う配列はだいぶアドホックな実装になってしまうため好きじゃない。
かわせみ配列はgodanキーボードっぽくてけっこう好み。SKKと両立できなさそうだけど。
どのくらいの速さになったか
https://gyazo.com/eca95145822c86ebcf31bca0b756ef1c
一ヶ月目くらいで、こうです。
たぶん前より少し遅い。
配列
使っている配列です。試行錯誤の末そこそこ綺麗になった気がします。
table:layer0
Tab q/Q l/L u/U ,/? ./! f/F z/Z r/R y/Y p/P Esc
BS/Del e/E i/I a/A o/O -/~ k/K t/T n/N s/S h/H Enter
Shift j/J x/X c/C v/V :; g/G d/D m/M w/W b/B / / \
Ctrl Win Alt IMEオフ/Layer1 Space/Shift IMEオン/Layer2 カタカナ Alt Ctr Shift
大西配列を
z→j
w→z
j→w
と入れ替えたものです。もとの大西配列では「ぜ」がめちゃくちゃ辛いため。
jではじゃ行とじしか打てないが、zならざ行じゃ行両方打てて、これで完全に日本語の母音と子音を左右に分離できるのが個人的に綺麗だと思っている
これでctr+zのショートカットが崩れるが、これは後述のレイヤーでなんとかした。
他には、スペースと他キー同時押しにShiftの役割を担わせて、さらにシフトの動作も変えています。:の裏に;を入れたり、美しい配置(主観)にしている。
IMEにSKKを使っているので、小指を守るためにはスペースキーはShiftじゃないと困る。
AltキーはGlazeWMのショートカットに当てていて、これでマウスを触る頻度もだいぶ減ります
便利系だとFlowLancher(またはFluentSearch)もおすすめです
table:layer1
Tab Esc Home ↑ End " ← →
^BS - ← ↓ → + ( ) ' ↑ Enter
Shif ^Z ^X ^C ^V { } ` ↓
Ctrl Win Alt Layer1 Tab Layer2 カタカナ Alt Ctr Shift
無変換と同時押しでカーソル操作と括弧の入力ができます。
カーソルがesdfなのは、wasdだとホームポジションがズレるため。右手でマウスを使いたいのでhjklなども不採用。
3キー組み合わせがやりづらいためShift矢印のときだけスペースキーじゃなくてもとのShift使ってるのも左側に置いてる理由のひとつ
右側はかなり適当。右の矢印はテキストの矢印です。
Ctr+Zの替わりにこっちを使えば無問題。
カッコの順番は本当は数学で使う順番に並べたかったけどホーム行で普通の括弧を打つ楽さに抗えなかった
これでも何キーかが余ってるのでマクロとか入れる余地がある。
足りなくなったらカタカナひらがなキーを括弧用レイヤーにでもすればよい
table:layer2
Tab ≦ ≠ ≧ , . & ^ * / %
BS 1 2 3 4 5 6 7 8 9 0 Enter
Shift < = > # | @ + - × ÷ $
Ctrl Win Alt Layer1 +Tab Layer2 カタカナ Alt Ctr Shift
変換キーを使うと数字と記号が打てます。記号の配置はまだ改善の余地あるかも。
最初はテンキーと同じ配置にしてたけど横にどーんと置いたほうが両手使えていい気がしたためそうした。
code:Onishi.ahk
SendMode Input
q::q
w::l
e::u
r::,
t::.
y::f
u::z
i::r
o::y
p::p
SC01A::Esc
a::e
s::i
d::a
f::o
g::-
h::k
j::t
k::n
l::s
SC027::h
z::j
x::x
c::c
v::v
b:::
n::g
m::d
,::m
.::w
sc035::b
SC073::/
SC02B::・
SC01B::_
;SandS
SC039::Space
SC039 & w::+l
SC039 & e::+u
SC039 & r::?
SC039 & t::!
SC039 & y::+f
SC039 & u::+z
SC039 & i::+r
SC039 & o::+y
SC039 & p::+p
SC039 & a::+e
SC039 & s::+i
SC039 & d::+a
SC039 & f::+o
SC039 & g::~
SC039 & h::+k
SC039 & j::+t
SC039 & k::+n
SC039 & l::+s
SC039 & SC027::+h ; ;::h
SC039 & b::;
SC039 & n::+g
SC039 & m::+d
SC039 & ,::+m
SC039 & .::+w
SC039 & SC035::+b
SC039 & q::+q
SC039 & z::+j
SC039 & x::+x
SC039 & c::+c
SC039 & v::+v
SC039 & SC073::\
SC039 & SC02B::…
SC039 & SC01B::|
SC028::Enter
SC07B & SC028::Send, {Up}{End}{Enter}
SC039 & SC028::+Enter
SC079 & SC028::Send, {End}{Enter}
SC079::IME_SET(1)
SC07B::IME_SET(0)
vkF0::BackSpace
SC039 & vkF0::Del
SC07B & vkF0::Send, ^+{Left}{Del}
SC028 & vkF0::Send, {End}+{Home}{BackSpace}
;Layer1
SC07B & SC039::Tab
SC07B & q::Esc
SC07B & w::Home
SC07B & e::up
SC07B & r::End
SC07B & y::Alt
SC07B & s::Left
SC07B & d::Down
SC07B & f::Right
SC07B & z::^z
SC07B & x::^x
SC07B & c::^c
SC07B & v::^v
SC07B & n::^s
SC07B & SC073::^F
SC07B & SC01A::→
SC07B & p::←
SC07B & SC027::↑
SC07B & SC035::↓
SC07B & a::-
SC07B & g::+
SC07B & j::(
SC07B & k::)
SC07B & l::'
SC07B & m::{
SC07B & ,::}
SC07B & .::`
SC07B & o::"
SC07B & u::[
SC07B & i::]
;Layer2
SC079 & SC039::+Tab
SC079 & a::1
SC079 & s::2
SC079 & d::3
SC079 & f::4
SC079 & g::5
SC079 & h::6
SC079 & j::7
SC079 & k::8
SC079 & l::9
SC079 & SC027::0
SC079 & z::<
SC079 & x::=
SC079 & c::>
SC079 & v::#
SC079 & n::@
SC079 & q::≦
SC079 & w::≠
SC079 & e::≧
SC079 & o::/
SC079 & p::Send,{`%}
SC079 & r::,
SC079 & t::.
SC079 & b::|
SC079 & m::+
SC079 & ,::-
SC079 & .::×
SC079 & SC035::÷
SC079 & u::^
SC079 & i::*
SC079 & y::&
SC079 & SC01A::$
アイデア
AZIK風拡張
前はAZIKを使っていたので、その系統の拡張をやってみたい
調べたら先駆者がいたが、私の配列改変と合わなそうなのでパス godanキーボードがけっこう好きなので、「母音+ん」、「っ」、「ゃゅょ」が追加候補
まず母音+んを実装するだけでもけっこう難しい
DvorakJPみたく母音の真下に配置するというわけにはいかないし、右手に配置するとsh-が潰れる 規則性なしに配置するのも気持ち悪いから嫌
ここで、スペースキーをShiftに変えたことで元Shiftキーがいらなくなっていることに気づく
code:nnnn
+e::Send, unn
+a::Send, enn
+s::Send, inn
+d::Send, ann
+f::Send, onn
これでよくない?
さらに言えば、
code:nnn
+q::Send, qq
+w::Send, ll
+y::Send, ff
+u::Send, zz
+i::Send, rr
+o::Send, yy
+p::Send, pp
+h::Send, kk
+j::Send, tt
+k::Send, nn
+l::Send, ss
+SC027::Send, hh
+z::Send, jj
+x::Send, xx
+c::Send, cc
+v::Send, vv
+n::Send, gg
+m::Send, dd
+,::Send, mm
+.::Send, ww
+sc035::Send, bb
こうすればいいんでないの?
これならローマ字テーブルをいじってないからデメリットなしで使いたいときだけ使える タイピングゲームでも使える(ややチートだけど)
あとはゃゅょだが、今のところ必要性を感じていない
大西配列では(「ひゃ」「びゃ」以外は)一瞬で打てるのでいらない
入れるとしたら.-:があるところとかjxcvのあたりかな
それか本家AZIKみたくgにゃのローマ字割り当てをするか
他にも二重母音拡張もあるけど、5^2通りの二重母音は網羅できないし、一部だけ実装するのは自分としては気持ち悪いなと思うのでやらない
母音集中してるからもともと速く打てて、右手の動かす範囲をこれ以上大きくするデメリットのほうが大きい
ちょっと使ってみた感想、一打で二文字打つ系の拡張はSKKと相性がそんなによくない
いいかんじに設定してShift+Space+aでAnnが打てるようにするか 変換するときはふつうにaxnで打つか
あとEnter(元コロン)は長押ししないし、他のキーとの同時押しになんか入れてもいいかもね