ファジィモデリング
関宏理(大阪大学),発表日 2021 年12 月6 日
発表概要
近年の世界でのファジィ理論の現状の紹介
IEEE Trans. Fuzzy Syst.など、非常にIF が高く、活発に研究されている
ファジィ推論モデルの紹介
Min-Max-重心モデル(Mamdani モデル)
If-Then ファジィルールの前件部、後件部ともにファジィ集合を使用
推論過程にMin 演算、Max 演算を使用
T-S 推論モデル
If-Then ファジィルールの後件部に一次式を使用
推論過程に代数積、加算を使用
簡略化ファジィ推論モデル
T-S ファジィ推論モデルの後件部を実数に置き換え
単一入力ルール群結合型ファジィ推論モデル(SIRMs 推論モデル)
1 入力1 出力のファジィルール群を定義
ルール数は従来モデルに比べて非常に少ない
排他的論理和の実現が不可
深層ファジィ推論モデル
SIRMs 推論モデルを階層化
ルール数は従来モデルに比べて非常に少ない
複素ファジィ推論モデル
If-Then ファジィルールに複素数を使用
計算速度が従来モデルよりも速い
複素数を用いることによるファジィルールの解釈性に問題
ファジィ推論モデルの等価性
任意の入力が与えられたとき、ファジィ推論モデル同士の推論結果が等しくなる条件
様々な性質の証明に用いられる
Hirosato Seki, Hiroaki Ishii, and Masaharu Mizumoto, “On the Generalization of Single Input Rule Modules Connected Type Fuzzy Reasoning Method,” IEEE Trans. on Fuzzy Syst.,Vol. 16,No. 5,p. 1180--1187,2008.
Hirosato Seki and Masaharu Mizumoto, “On the Equivalence Conditions of Fuzzy Inference Methods-Part 1: Basic Concept and Definition,” IEEE Trans. on Fuzzy Syst.,Vol. 19,No. 6,pp. 1097--1106,2011.
ファジィ推論モデルの等価性を用いることにより、Min やMax 演算を用いた推論結果の統合を四則演算に置き換え計算することが可能
Min やMax 演算を使用していても最急降下法などの適用が可能
ファジィ推論モデルの単調性
ファジィ推論モデルによっては、入力とファジィルールが単調性を満たしても、必ずしも推論結果が単調性を満たすとは限らない
単調性を満たすことは制御、評価などで重要な場合がある
単調性の証明が重要
Hirosato Seki, Hiroaki Ishii, and Masaharu Mizumoto, “On the Monotonicity of Fuzzy-Inference Methods Related to T-S Inference Method,” IEEE Trans. on Fuzzy Syst.,Vol. 18,No. 3,pp. 629--634,2010.
SIRMs 推論モデルの問題の一つとして排他的論理和が実現不可
階層型にすることにより実現可能(深層SIRMs 推論モデル)
後件部に複素数や前件部に複素ファジィ集合へ拡張することにより実現可能(複素SIRMs 推論モデル)
XAI の重要性が議論されている昨今、If-Then ルールで表現されるファジィ推論モデルは人間が直感的に理解しやすく、様々な問題解決に利用可能
制御
医療診断
バイオインフォマティクス
不完全情報ゲーム
パンデミック
ビッグデータ解析 など