SSI2020 CIFS特別企画:CIとモデリング
CIFS特別企画 パネルディスカッション『“AI”時代のモデリング -システムズアプローチとCIの役割は?』
深層学習のめざましい成果から機械学習に基づくAIが注⽬されて久しい。 また、このAIを⽀える⼈材育成のための数理‧データサイエンス・AI教育プログラムがAI戦略2019のもとで検討され、 将来にわたっての競争⼒を⾼めることが求められている。 ⼀⽅でマスコミ等による"AI"の理解や取り扱いには疑問の声もよく聞かれる。 このような“AI”に対して、CI部会ではワーキングチームのもとで、 これまでに、CIができること、CIとモデリングなどの議論を重ねてきた。 本企画では、この議論を踏まえ、 特にモデリングの果たす役割などについて議論をシステム‧情報部⾨で進めていく端緒としたい。
日時:2020年11月15日(日)15:20~16:50
場所:オンライン開催
司会
村⽥純⼀(九州⼤学)
パネリスト(タイトルのリンク先に講演内容の概要が記載されています)
本間経康(東北⼤学):CIの医学応⽤とモデリング
討論概要
データとモデリングについて
司会(村田)から参加者(寺野)へ
データについての考えを聴かせて欲しい.
寺野
AIにおけるデータの役割についての講演を予定している.講演のタイトルはデータ収集だったが,データだけではダメでモデルもなければダメなので,タイトルを変更した.
プロジェクトをやると,「AIで何かできませんか」という話がやってくる.その本人が,何をしたいかわかっておらず,結局大したことができずに終わることもある.
逆問題とAIについて
寺野からパネリストへの質問
逆問題を解く場合に,進化計算などを使ってブラックボックスのまま解を求めることができるのではないか
パネリスト(相吉)
結果がこうなって欲しいというのがあって,そのためのバーチャルなモデル(それはAIのモデルでよい)を構築しながらいい答えを見つけたい.
そのときにどうやってデータを使っていけばよいかを考える.最初はビッグデータでなくてよい.
バーチャルなモデルはブラックボックスで構わない.そのための方法論を作るのがシステムズアプローチ.言い換えると,ブラックボックスで同定しながらチューニングしながらモデルを作る.それがシステムズアプローチである.
パネリスト(畠中)
進化計算は評価ができることが前提で評価は多くの場合シミュレーションで得る.順問題が計算機で解けるとき,沢山の順問題を解きながら良い設計変数を探すので,そういう場合は役に立つ.
逆に,要求を満たすものを見つけよという逆問題の場合は別のアプローチが必要である.因果関係などの関係を逆方向にきちんと解く必要がある.
礒川先生のタンクモデルの話で,入出力と構造は既知で,パラメータは未知であり,PSOを適用してパラメータ決定していた.このような方法論はデータ同化として色々なところで使われている.事前情報があって計算モデルがわかる場合はパーティクルフィルタやカルマンフィルタ,何もないときはランダムサーチ,少し分かっていれば進化計算を使うことになる
モデリングとその入口・出口について
司会(村田)
モデリングだけピックアップして議論するのは無意味で,入口のデータ,出口の使途を考える必要がある,また,モデリングした結果がモデリングにフィードバックされる.これらをトータルで考える必要がある.
説明・解釈について
司会(村田)からパネリストへ
深層学習の結果の説明についてどう考えるか
パネリスト(本間)
医療では,画像処理がブラックボックスと呼ばれているうちは臨床では使えない.ブラックボックスではなくしたい.
医学では医学統計学というきちんとした学問に則ってやる.他分野でも使えるかは不明.今よりは深層学習が何をやっているか説明できるようになる
パネリスト(市村)
自分は,まず数式を使ったモデリング手法を使ってみる.それがうまくいかない時に改良をする.その改良の際に,簡単なのは目の前のデータを活用することである.
世の中で,AIが,そのまま使えば答えが出ると認識されてしまっている.そうではないと言いながらも,いろいろなチャレンジしていくのが面白い