『黒牢城』
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ISBN:4041113938
祝 第166回直木賞受賞!
本能寺の変より四年前、天正六年の冬。織田信長に叛旗を翻して有岡城に立て籠った荒木村重は、城内で起きる難事件に翻弄される。動揺する人心を落ち着かせるため、村重は、土牢の囚人にして織田方の智将・黒田官兵衛に謎を解くよう求めた。事件の裏には何が潜むのか。戦と推理の果てに村重は、官兵衛は何を企む。デビュー20周年の集大成。『満願』『王とサーカス』の著者が辿り着いた、ミステリの精髄と歴史小説の王道。
【受賞・ランキング入賞結果】
第12回山田風太郎賞
『このミステリーがすごい! 2022年版』(宝島社)国内編第1位
週刊文春ミステリーベスト10(週刊文春2021年12月9日号)国内部門第1位
「ミステリが読みたい! 2022年版」(ハヤカワミステリマガジン2022年1月号)国内篇第1位
『2022本格ミステリ・ベスト10』(原書房)国内ランキング第1位
「2021年歴史・時代小説ベスト3」(週刊朝日2022年1月14日号)第1位
『この時代小説がすごい! 2022年版』(宝島社)単行本第3位
tks.icon 歴史小説ではあるが、あくまでもミステリーで非常に面白く読めた。
あらすじにもある「主人公である城主の荒木村重が囚人である黒田官兵衛に話を聞いてもらって事件を解決してもらう」という設定が面白そうと思い読み始めた
その場面まで行くのになかなか時間がかかってそこまでは少し退屈だったけど、そこからはおもしろい
史実をもとにしているため、動かせない事実は存在する中で、その間を埋める作家の想像力とロジックはすごいと思った。
なぜ黒田官兵衛を幽閉したのか(当時の常識からすると殺していたはずなのに)
幽閉するくらいなら殺せと言っていた黒田官兵衛がなぜ謎を解くことに協力するのか
なぜ荒木村重は最終的にあのような行動をとったのか
話の大筋だけでなく、細かい描写もよかった
戦の描写と言っても、勇ましい戦いの描写がすごいという話ではなく、むしろ、その裏側にある事務的な作業の描写が興味深かった。
この時代は、戦で活躍すればするほど褒美がもらえる。
活躍したことを示すための手っ取り早い方法は敵の首をとって帰ってくること。
しかもその首は役職が高い敵であればあるほど良い。
でも、カメラなどないこの時代に、誰がその首をとったのか、そもそもその首は誰なのかを検証するのは大変。
だから、簿記のように取ってきた首を記録するという描写がある。
言われてみればそうなのだけど、そんなことを考えたことがなかったため、「なるほど、たしかにそうやって記録しておかないと揉めるよなー」となった。
実際に、誰がその首をとったのかという謎を解決しなければいけない状況になる。
goryugo.icon首実検とか、そういう目線で考えたことなかったかも!
そういうの含めてめちゃ興味深いですね。