『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』
https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51u-lSxBLDL._SX338_BO1,204,203,200_.jpg https://www.amazon.co.jp/dp/B07RRS3HZD
文学史&エンタメ史の未確認混沌時代(ミッシング・ピース)!
「東海道中膝栗毛」の弥次喜多が宇宙を旅行する、「舞姫」の主人公がボコボコにされる、身長・肩幅・奥行きが同じ「豆腐豪傑」が秀吉を怒らせる――明治・大正時代、夏目漱石や森鷗外を人気で圧倒し、大衆に熱烈に支持された小説世界が存在した。
本書では、現代では忘れられた〈明治娯楽物語〉の規格外の魅力と、現代エンタメに与えた影響、そして、ウソを嫌いリアルを愛する明治人が、一度は捨てたフィクションをフィクションとして楽しむ術(すべ)をどのようにして取り戻したのか、その一部始終を明らかにする。
朝日新聞とスタジオジブリも注目する、インターネット出身の在野研究者が贈る、ネオ・文学案内。
※長いタイトルの通称は「まいボコ」です!
※本書に登場する作品のほとんどが国立国会図書館デジタルライブラリーで全編無料でお読みいただけます。
【目次】
はじめに 書くはずのなかった人間が書く混沌とした本
〈明治娯楽物語〉がざっくり分かる図と年表
序 章 小説未満の世界 明治の弥次喜多は宇宙を旅する
第1章 超高速! 明治時代 五倍のスピードで万事が動く
第2章 庶民が愛した〈明治娯楽物語〉 日清・日露戦争で暴れまわる馬丁たち
第3章 〈講談速記本〉の帰還 無責任体制が生んだ娯楽(エンタメ)の王様
第4章 地獄に落ちそうな勇士ども 長広舌の真田幸村二世&神より強い猪突猛進男
第5章 豆腐豪傑は二度死ぬ ミスター講談速記本・桂市兵衛
第6章 〈最初期娯楽小説〉の野望 「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする
第7章 「科学」が生んだ近代キャラ 嫌われ作家の奇妙な冒険
第8章 〈犯罪実録〉という仇花 強くない、謝らない、いいことしない犯罪者たち
第9章 忍者がやりたい放題するまで 忍者復活の影にアメリカの怪力女あり
第10章 恐るべき子供豪傑たち 大人をボコボコにする少年少女
終 章 不死の聖
主要参考文献一覧
【本書に登場する物語(一部)】
▼弥次喜多が宇宙旅行に行く『宗教世界膝栗毛』
▼遅刻で日露戦争に参加できなくなる『露西亜がこわいか』
▼主人公が焼酎と蟹を食べすぎて死ぬ『南京松』
▼トークの技術だけで城を奪う『西国轡物語』
▼神より強い覆面ヒーローが暴走して剣豪たちがフォローに苦心『箕輪城物語』
▼バンカラがゲンコツで虎退治『世界鉄拳旅行』
▼いつのまにか日→露にワープ『今様水滸伝』
▼忍術=催眠術を確立した『鬼丸花太郎』
▼元祖・大人をボコボコにする子ども『鳥刺し胆助』
▼魔法少女が正体を隠して諸国漫遊『戸澤雪姫』ほか