2022年5月読書会メモ(tks)
2022年5月読書会メモ
読んだ
mailman.icon聴いていて読みたくなりました
『思考の教室』
『わかりあえないことから──コミュニケーション能力とは何か』
『お役所仕事が最強の仕事術である (星海社新書)』
『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形 』
『独学の思考法 地頭を鍛える「考える技術」』
人に薦められて読んだ。
2020年にダイヤモンド社から発売
語り口は軽いので読もうと思えば1日で読める
感想①:発信することへの勇気が出る本
tks.iconはネットは見る専
書くのが苦手、言語化の負荷が高いといった理由がある
加えて、「自分の考えを書いたところでおもしろいわけがない」と思っていた
どうせなら面白いと思ってもらいたいという気持ちもある
最近、そんなことはないと思うことも増えたが、まだ勇気が足りない
この本はそんな自分に対して、「おもしろいポイントは既に自分の中にあるよ、あとは選ぶだけ」ということを言ってくれる
ここに参加しようと思ったのも、この本が1つのきっかけ
著者について
著者は広告会社でコピーライター、CMプランナーをしている
いわゆるクリエイティブ職
ファンタやUHA味覚糖/さけるグミのCMを手掛けている
著者が広告学校の講師をすることになった
生徒の作品にアドバイスをする
「ここが面白くない」、「こうすれば面白くなるのでは?」
→生徒にキレられる「面白いって、何なんすか?」
説得・納得させることができなかった
「面白いって、こういうことだ!」と言ったり、生徒を唸らせるコピーを見せられればよかったけどどちらもできなかった
→誰もが具体的に実践できるやり方を考えなければいけない
過去の成功事例を分析するのではうまくいかない
過去の成功事例を分析して、成功の法則を見つけてその通りに作ろうとするとうまくいかない
たいてい下手な二番煎じになる
応用ではなく真似になりやすいから
成功事例を分析すると、できそうな気がする
でもできない
面白いことを考える方法がわかったのではなく、成功事例がおもしろかった理由を納得しやすかっただけ
オリジナルを見て、別のオリジナルを作るのは難易度が高い
ミルクボーイのコーンフレークのネタを参考にして、コーンフレークとは違う面白い漫才を作るのは困難
中高生へのグループインタビューからわかったこと:面白いの対義語はわからない
CMの企画案を見せて感想を聞くが、中高生は大人な対応をしてくれない
「よくわかんない」「つまんない」「意味不明でした」
反抗期で斜に構えた態度の子もいる
ただ実は、「面白くない」 「つまんない」という反応は少ない
「面白い」という反応がないときに返ってくる言葉は「よくわからない」
→面白いの反対語は面白くないではなく、わからない
面白いとは似ていないこと
面白いの対義語はわからない
じゃあ、わかれば面白い?→NO
わからないからといって面白いとは限らない
わかりやすいは必要条件であって十分条件ではない
普通に見えるものはなんだか似ている
普通のものを比べる・・・似ている
面白いものを比べる・・・個性的、共通点はない
→面白いものを作れないのは、似ているものを作っていたから
誰だってオリジナリティが大事なことくらい知っている
それにもかかわらず、似ているものを作ってしまう人が多い
とすれば、面白いことを考えられない人とは、似ていることにルーズな人
→ルーズにならず、コツコツと「似ている」を排除していけば、誰でもいつかは、誰にも似ていないものを作れる
=再現性がある
正解がないことのジレンマ
クリエイティブは自由=答えはひとつではない
正解なんてないのだから自分らしく考えればいい
正解がないからこそ、自由に、前例に倣ってしまう
直せる点があるとすればそこ
「俺もこういうこと考えたことあったんだけどなぁ」現象
誰にでも身に覚えがある
=自分の中に気づいていないアイデアがある
→選べなかったことを選べるようになればいい
選び方がわからない
自分のものは「どれが良いのかわかんない」けど「他人のもの」はわかる
他人のものを良いと評価するときには、自分のものとは似ていないものを選んでいる
→自分のものも、似ていない、を基準に選べばいい
ダメな考え方:人と違うことを考える
違いを出すために無理やりひねり出そうとしてしまう
変なものになってしまいがち
どんなアドバイスが良いのか
「自分も同じようなことで悩んだ。こうやってみたらどうだろう?」は役に立たない
そのときはできる気がする
でも、あとからやってみるとできるようでできない
所詮他人の考え方だから
「どれどれ見せてみろ。・・・何だよ、もうできてんじゃん。ここをさ、こうしてみればいいじゃん」が役に立つ
たしかにうまくいったのは「ここを、こうしてみれば」のおかげかもしれない
だけど、「ここ」を考えたのは自分
=アドバイスはアシスト、シュートを決めたのは自分
=アイデアは自分の中にあり、あとは選ぶだけだというアドバイス
しかも自分の中にあるものだから考えるのが楽
感想②: 勇気をくれるだけでなく役にも立つ
これまでどうしていいかわからないままぐるぐる回ってしまうという経験は数多くしてきた
仕事で「面白い」ことを考えないといけない
でも、そのためにやるべきことがわからない
「考えないと・・・でも思いつかない!」
そんな悩みを持っていた自分にとって、本書のアドバイスは具体的で再現性があるもの
面白いとは似ていないこと
似ていないものを選ぶしかない
「再現性を高めるためには、個人の中から選ぶ」という一見矛盾したメッセージであるところがおもしろい
再現性を高める→平均的な思考
コピーライターに限らず応用が効くアドバイスだと思う