2022年10月読書会メモ(tasu)
読書会などなどでオススメいただいたものたち
先月の読書会で話題に挙がったrashita.iconさんのhonkureを読んで購入 「ですます体」で書いた論文に文体修正の査読コメントがついたことから、「ですます体」についての考えがはじまります。丁寧に論を組み上げていって、最終的に文体にとどまらない話に行きつくのは面白い読書体験でした。
到達した場所も面白いのですが、個人的には著者の思考過程がそのまま追える(ような気にさせてくれる)構成も良かったです。
問題→用語の定義→先行研究の調査→…
アナロジーを利用して発想を拡げる…
表にして整理しつつ、空欄箇所について検討する…
などなど、方法論として紹介されている書籍は多くあれ、ここまで著者の思考をそのまま(?)追える形になっている書籍はあまりないような気がしましたtasu.icon*2
思考が追えるtasu.iconキリッと自分で言いながら、著者主張の肝である「『ですます体』のみ『純粋待遇性』をもつ」については、まだ腹落ちできていませんtasu.icon*2
たとえば「AはBである。このときBがXであることを証明せよ。」みたいな文章の待遇性はどうなるのか。
おそらく著者のいう「効果」と「機能」の違いが理解できていないtasu.icon*3
哲学用語だったりするのでしょうかtasu.icon
それはそうと、Audibleで最初違和感すごかったのは「である体」を聴いたから、ということにこの本を読んで気が付きました。
聴き続けていたらもう気にならなくなったので、人間の文体適応能力すごいなぁと思いましたtasu.icon脳の可塑性tasu.icon*2
というわけで今月もAudibleしていますtasu.icon
🎧『宇宙は本当にひとつなのか』
同僚がダークマター(素粒子論)の研究をしていたと聞いて
書籍名にもなっている問いの前に、前提として宇宙の色んな話をすごく分かりやすく説明してくれますtasu.icon
🎧『心にとって時間とは何か』
構成の企みがとても面白かったですtasu.icon
第一章〈知覚〉、第二章〈自由〉、第三章〈記憶〉、第四章〈自殺〉
第五章〈SF〉、第六章〈責任〉、第七章〈因果〉、第八章〈不死〉
①「心」「時間」と「各章のテーマ」の三点測量により、「時間」の輪郭を描く
②奇数(1,3,5,7)章で議論の本線、偶数(2,4,6,8)章で前章の議論を踏まえた分析
③前半(1,2,3,4)章の内容が、それぞれ後半(5,6,7,8)章とリンクする
試みは面白かったのですが、各章ごとのテーマが大きいので、新書のページ数ということもあり消化不良に感じてしまいましたtasu.icon