202210月読書会メモ(catinthehead)
400文字でまとめるチャレンジ。読後に400字、その後ブログで800字に、というリズムを作れたらいいな。
原題:The Scout Mindset: Why Some People See Things Clearly and Others Don't 2021年4月刊行
企業家精神を身につけたい人向けの本。著者は人気番組「合理的な話し方」のポッドキャスター。
人は自分のミスや、不都合なこと・意外なこと・不快なことに直面すると、「自分の考えが正しい」か「目の前の不合理な何かが正しい」かの二択で考え、結局「自分が正しい」と信じようとする。
そうではなく、不都合なことに向き合い、面白がる「態度」こそが、良い判断や行動をもたらすのだ、という話。
全体的に認知バイアスの実験結果や成功者の名言を引用している。著者の動機のようなものがあまり見えないのだけど、最後のパート「私の意見を軽くしておく」「アイデンティティは軽いほどいい」を読んで、少し納得。
私には、やや「不都合な本」だった。非合理性やアイデンティティが漏れ出る文章のほうが好きだからだ。でも、もしかしたら、この本に乗れない理由は著者が女性で、アカデミアじゃないから?バイアスのせいなのかも? などと考えられたのが一番の収穫。
原題:Oliver Burkeman | Four Thousand Weeks: Time and How to Use It 2021年8月26日刊行
「時間の使い方」というタイトルに惹かれてしまう読者の意識を変えようと試みた本。
自称「元生産性オタク」の著者が、時間についての名言や考察を多数引いて、自らの思想を束ねあげている。元新聞記者だからきっと一次情報にも当たっているのだろう。科学的な根拠を拠り所としない本書が、ベストセラーというのはすごい。
よかったフレーズは『あの「深い時間」、時間の物差しを捨ててリアルな現実に飛び込んでいくときの魔法のような感覚は、もうどうやっても手が届かない。』。
そうだ、あの寝汗をかくような「深い時間」が怖くなって、私は小説を読まなくなったのだった。
人は「深い時間」を受け取る覚悟がない。代わりにノウハウ本を読み漁り、タスクリストに囚われ、成果を追い続ける。そんな「因果のカタストロフィー」に著者は警鐘を鳴らし、時間依存症のわたしたちにできることは、たった一つだけだと説く。
具体的なノウハウとして参考になったのは第11章「留まることで見えてくるもの」。
すごく静かな文章や、読むだけで「事件」が起こるような文章がある。
それは共同体や社会の「すきま」で奇跡のように生まれる「個人」の言葉だ。
社会で生きる「みんな」に向けて書かれた文章は、うるさすぎる。だから、すごく静かな文章は、共同体の「すきま」で書かれる。行儀が悪くて発禁ものの文章も、社会の「すきま」に居る。
そんな文章を「読む」ことを、この本は考える。学校が教える「みんな」とは違う問題山積みの文章にこそ、読者を変える力があるからだ。
高橋源一郎は「わからない」「そんな気がする」を連発しながら、「こんな風に読まれたら幸せかな」なんて、「個人」の文章をリスペクトする読み方を披露していく。
一見、学校の授業で取り上げることに問題がないような文章も、「みんな」で共読する読み方はなんか違う、ということもある。その指摘にうなずく。「個人」をまな板の上に乗せて捌くような学校のやり方を思い出すと、それぞれの文章にふさわしい読み方というのは確かにあるのかもしれない。
<読んでいる>
動機
社会をメタに見るのに役立ちそう。下記の対談で著者の大澤真幸の名が上がっていて興味を持った。
冬コミ雑誌『イルミナシオン』への寄稿文が2013年02月15日にWEB公開。
ここでのアスペルガーとは、診断基準DSM-5でいう「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)」を指す。
『NLPの原理と道具「言葉と思考の心理学手法」応用マニュアル』ジョセフ・オコナー, ジョン・セイモア, 橋本敦生
動機
数年前に自分のミスと向き合える方法を検索していてNLP(神経言語プログラミング)という心理学的モデルがあることを知った。名前がかっこいいので本を読もうと思いつつ、怪しいなとも思い、長年放置していた。