デリダ_感染する哲学
初版発行年月 1998年01月
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紹介
難解で知られるデリダ哲学。その出発点をフッサール現象学にさぐり、フッサールが歩みを止めた「時間」と「他者」の問題を引き継ぎ、その臨界点からさらなる思索を開始することで誕生した哲学者デリダの軌跡を追う、新鋭の意欲作。 メモ
デリダはフッサールに影響を受けて現象学について考察した。(フッサールで有名な概念エポケー) その後、現象学では不十分と考え、自身の新たな概念を提唱していくことになった
デリダはフッサールが放置した課題に挑むことになるが、現象学では不十分であると考えるようになった 目次
はじめに
序論
第1章 フッサールと「発生」の問題
第1節 『算術の哲学』における絡み合いとの遭遇
第2節 発生と含有
第3節 「数」と抽象化
第4節 フッサールとフレーゲ
第5節 可能性としての志向性
第2章 絡み合うものとフッサールとの闘い
第1節 絡み合いのない時間
第2節 客観的時間と現象学的時間
第3節 原的印象と過去把持
第4節 絡み合いと呪縛──「自由」としての還元
第5節 弁証法の要請
第3章 絡み合いのないものと純粋な意識への回帰
第1節 意識の存在と世界の存在
第2節 明証性と受動性の告知
第3節 志向性とヒュレー
第4節 弁証法の再度の要請
第5節 フッサールと時間
第6節 受動的発生という問題
第4章 「知」の起源と判断の発生
第1節 現象学と発生の問題
第2節 判断と前─述語的なもの
第3節 「世界」の可能性と受動性
第4節 否定と差異
第5節 発生の問題のゆくえ
第5章 時間の絡み合いと歴史
第1節 エゴの発生
第2節 予備学としての現象学
第3節 形相的なものと現象学
第4節 志向性の絡み合いとしての歴史
第5節 「知」と形式
第6節 カント主義への急接近
第7節 超越論的エゴと現象学
第6章 歴史と目的論
第1節 受動的発生と目的論への訴え
第2節 「ヨーロッパ」という理念
第3節 絡み合いとパラドックス
第4節 未解決な発生の問題
第5節 理念と純粋性
第6節 理念の絡み合い
第7節 根源的な時間性と弁証法
第8節 『危機』と現象学の「危機」
第7章 歴史の意味と意味の歴史
第1節 歴史哲学と危機
第2節 歴史における覆いと露呈──目的論の挫折
第3節 歴史と超越論的なもの
第4節 フッサール現象学からの再開とデリダ思想の発生
第8章 フッサールからの決別と感染する哲学の発生
第1節 残された課題
第2節 『幾何学の起源』への序論における歴史と可能性としてのエクリチュールの問題
第3節 『声と現象』における起源の問題──痕跡とdifferance結論注あとがき