エクイティー裁判所
大法官府裁判所の様子(1450年ごろ)
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一段高い席に緋色のローブを着た2人の裁判官が座っている。中央に描かれている最も年輩の人物が大法官であり、その左隣の印璽のついた文書を持つ人物が次席の裁判官である記録長官(Master of Rolls)だと思われる。その左右に2人づつ寄り添っている黄色のローブを着た人物は、陪席の裁判官にあたる大法官付主事(Masters in Chancery)である。これら6人は聖職者なので、いずれも頭を丸く剃っている。
緑の敷物が敷かれたテーブルの周りにいる黄色のローブを着た人物は書記官で、そのうちの1人はテーブルの上に乗って文書を読み上げており、右手前の1人は令状に封をしているところである。
3段目に立っている青や緑のローブを着た5人の人物はいずれも弁護士で、白い頭巾を身につけている3人がサージェント(上級法廷弁護士)、つけていない2人がバリスタ(法廷弁護士)である。
4段目には、3人のバリスタと黄色いローブを着た2人のソリシタ(事務弁護士)が座り、順番を待っているのであろうか、文書を開いて見ている。(中央の人物が右手に持っているのは紙巻きタバコではなく、文書の封印のように思われる。)
出典: The Inner Temple Library, http://www.innertemplelibrary.org.uk/collections/manuscript-collection/chancerypage.htm
John H. Langbein, Renee Lettow Lerner & Bruce P. Smith, History of the Common Law 277 (2009)および小山貞夫『英米法律用語辞典』(研究社、2010年)の解説を元にした。