Japan - Yusuke Kado (日本語)
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日本 - 角 雄介 - 2014年度ボランティア
JICA(国際協力機構)職員 - 広報業務担当
文・角 雄介、2020年3月
Network e-Bulletin No. 6, June 2020
アジア学院と沖縄とジャンベ
https://gyazo.com/de6ab00b46bfe28a91ce7cdda080bb47
角さん
アジア学院にいた時、私は西アフリカの太鼓のジャンベにハマっていて、農作業が無いときはいつもジャンベを持ち歩いていました。暇を見つけてはポコポコ叩き、アフリカ人のパティシを見つけては叩いてもらって研究していました。そんな毎日を送っていたあの時はとても幸せで贅沢な期間だったと思います。
https://gyazo.com/9fed2b96a5027a68b894306439716a8e
収穫感謝祭のステージでジャンベコンサート - ロメオさん(リベリア)の後ろで共に演奏する角さん(緑のTシャツ)
ある日、何のイベントだったか思い出せないのですが、リベリア出身の学生だったロメオと沖縄の民謡を生演奏で聞く機会がありました。バンドの演奏は素晴らしく、聴衆たちは彼らが奏でる音楽に酔いしれていました。しばらく演奏が続いた後、次の曲までの合間、歌い手の男性は客席に向かっておかしい冗談なんかを言っていました。いつものようにジャンベを持参していた私と隣に座っていたアフリカ人に、ネタ探し中のバンドのフロントマンの目が留まるのは時間の問題でした。私たちはひとしきり自己紹介なんかをした後に、次の曲はせっかくだからセッションしようということに当然ながらなりました。
私はロメオにこれは貴重な機会だからぜひあなたのドラムのテクニックを披露してほしい、と伝えじっくり聴くことに決めました 教会の牧師さんでありながら、かつてはドラムを叩いていたという彼のジャンベの腕前は相当で、私のジャンベの師匠でもありました。私はワクワクして演奏が始まるのが待ちきれませんでした。陽気な曲の演奏が始まると、彼は曲に合わせてジャンベを叩き始めました。
どんな演奏だったか…。知りたいでしょう?
でもその前に、簡単に沖縄の音楽の特徴、特にビートについて説明してみます。1小節をこんな風に「1と2と3と4と」と区切ってみた場合、1234という数字の部分が強調されます。いわゆるオンビートってやつです。文章で伝えてもよく分からないという方は、インターネットでノリのいい沖縄民謡を聴いてみてください。きっと言いたいことが分かると思います。 バンドの演奏は私が想像していた通りの楽しい調子で始まりましたが、その演奏に合わせるジャンベのリズムが私の想像を裏切ってくれました。 彼は、「1と2と3と4と」の中の「と」を強調した「オフビート」のリズムで叩いたのです。しかもノリノリで。 あまりの衝撃で心臓のバクバクが止まりませんでした。なぜなら音楽をある種の固定概念で聴いていたことに気付かされたのですから。
世界って広いな。こんな見方で世界を捉えることもできるんだな。やっぱり世界って面白い。もっと知りたい。 今思えばアジア学院では、沖縄民謡のイベントに限らず、そんなことを考えることがたくさんあった気がします。そしてこれこそが私がアジア学院で学んだ一番の事だと思います。
アジア学院で1年ボランティアとして過ごした後、青年海外協力隊として西アフリカのセネガルで活動する機会に恵まれ、帰国後はJICAで協力隊の広報業務を行っています。アジア学院を離れた後も、どこにいても心の中にはいつもあの時のジャンベが鳴り響いています、「世界って面白い」という鼓動を感じながら。
https://gyazo.com/549045ebc973810331b79897bdd493ee
セネガルで青年海外協力隊として2年間活動した角さん
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International Cooperation
Personal Perspective or Reflection Included
References to ARI Training Included
Language - 日本語 (Japanese)
Country - Japan