India, Nagaland - Zacivolu Rhakho Dozo (日本語)
インド、ナガランド
文・ザチヴォル・ラコ・ドーゾ(アチヴォ) 2000年度卒業生 / 2009年度トレーニングアシスタント
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2020年7月
現地資材を使ってモデル農園を共同建設
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アチヴォ
2005年、宣教師としてカンボジアのバブテスト・ユニオン教会に派遣されました。そこで、現地の牧師に出会い、村の子供たちには英語教育が必要だと繰り返し言われました。ある日、その村を訪れましたが、必要なのは英語教育ではないことに気づきました。本当に必要だったのは持続可能な農業でした。このようにして出会ったヴァン・ベン牧師は、その後2009年にアジア学院で学ぶことになりました。そして「ジェイコブ持続的農業センターカンボジア」(JSFCC)の開設につながっていくのです。カンボジア・ティラナス寄宿舎の寮長であるスウ氏、ヴァン・ベン牧師、そして私が共同創設者になりました。
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トラ・ペン・タソム村にあるジェイコブ持続的農業センターカンボジア (JSFCC)(2012年)
「先生、これでなぜ米を育てる季節に村の子供たちや時には大人までが、病気になるのかはっきりわかりました。作業を楽にし、害虫をコントロールするために大量の化学品を使っていたからなんですね。そんなに危険なことだと知りませんでした。村人たちも知らなかったのです。でもなぜかいつも病気になってしまっていたのです。ひどい頭痛、腹痛、下痢、吐き気などに苦しんでました!」ヴァン・ベン牧師がそう叫ぶように言ったのは、村の健康状態について話し合っていた時でした。また、村の家庭は化学肥料による社会経済的な問題を抱えていました。数年をかけて土壌劣化が進み、小規模農家はさらに大量の化学肥料を買うために借金をするようになりました。収穫しても、そのほとんどは借金返済のために使われ、家族を養うだけの食糧は手元に残りません。
モデル農園を立ち上げるために最初にぶつかった障害は土地の取得でしたが、最終的にはヴァン・ベン牧師のお父さんが村の外れの土地を無料で貸してくれました。もう一つの障害は、飲用そして野菜や鶏のための安全な水の確保でした。時間はかかりましたが、友人の寄付や自分たちのお金を使って建物と水のポンプを設置しました。
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教室と宿舎の建設 / 地下水のポンプ
プロジェクトの安定にとってヴァン・ベン牧師の存在は大きな意味を持ちました。村の牧師そして住人である彼のおかげで村人は我々を信頼してくれました。村にある資源を把握し、鶏の飼料や畑のボカシや堆肥のために使うようにしていきました。こういったやり方はそれまで村で行っていた農業とは異なり、ヴァン・ベン牧師が村人のモデルとなりました。人々の考えを変えるのは簡単ではありませんでしたが、牧師が率先して新しいやり方を採用しているのを見て、人々も興味を持ち始め、見習うようになっていきました。
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朝食を集めるヴァン・ベン牧師とスウ氏
ある日、村を歩き回っていると、感動的な出来事がありました。地雷によって手足をなくしている男性がヴァン・ベン牧師に教えを受け手元にある資材で鶏を育てていました。鶏小屋はヤシの葉と竹、餌は地元で手に入る材料を使って作っていました。鶏の糞は畑のボカシとなり、家族の野菜を育てていました。JSFCCにてヴァン・ベン牧師から学んだそうです。ヤシの葉、バナナの茎、ココナツの粉、米ぬか、もみ殻、とうもろこしの茎、これらはすべて農業のための大切な資源になりました。昔はゴミとして燃やされていましたが、今ではみんな宝物のように集めています!
アジア学院で受けたトレーニングは、女性としての私に行動する力を与えてくれたり、リーダーシップのスキルを教えてくれたりしただけではありません。もう一つ学んだ大切なことは、状況を見極め、農業を通して問題に対処することです。ナガランドやカンボジア両方にて草の根レベルで人々と働く中、生活の問題を解決してくれるのは必ずしもお金だけではないことを学びました。農業の重要な役割と農村で人々を一緒に働くためのスキルの理解も深めました。地元の自然の中にある資源は人々の助けになるものです。アジア学院ではこのような考えや技術をユニークな方法で教えてくれます。農村のリーダーたちを励まし、土と自然を愛すことを励まし、学んだ考えや技術を地域の人々の問題解決に役立てることを教えてくれます。
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JSFCCの農園 2020年
JSFCCにはまだ問題がたくさんあります。しかし神様は助けも備えてくださります。アイザック・イム牧師は、このプロジェクトに大変関心を持ってくださり、JSFCCのために資金集めを始めてくださいました。それによって、さらに大きな土地が手に入り、正式な農業訓練学校が開設されました。
このプロジェクトが今日まで継続していることには明確な理由があります。それはスウ氏、 ヴァン・ベン牧師、そして私の間で築いたリーダーシップです。2012年に私はその地を離れることになりましたが、私たちは強い信頼で結ばれており、資金提供者を彼らに紹介することができました。アジア学院で学んだ、委ねるということを実践したのです。リーダーシップは自分のためにあるのではなく、アジア学院のトレーニング・ハンドブックにあるように、「リーダーを養う」ためにあります。何か責任を任された時から、それを持続可能にするためには、ローカルのリーダーを養い、その任務を渡していくことを目指すのです。これもアジア学院で学んだ大切なことです。