軸索誘導
軸索ガイダンス axon guidance
結合する標的細胞まで正しく軸索伸長するために必要な誘導のこと
結構長い 1
脳の神経細胞では数mm~数cm
脊髄の運動神経では数mに及ぶ
手の運動を制御する運動神経では、指先までヒトでは1m近く、他の大型哺乳類では数mを誘導する必要がある
メカニズム
軸索先端の成長円錐がまわりの誘引分子・軸索ガイダンス因子を検知し、その濃度に応じて反応する
軸索の走化性
カハールにより提案
軸索ガイダンス因子への反応性は、場所や時期により変化する
反応の有無、誘引or反発、その方向
TODO: https://www.jstage.jst.go.jp/article/biophys/59/3/59_141/_pdf
例:ネトリンの誘引作用 2
軸索先端が濃度差を検知して、ネトリン濃度が高い方向へ伸びる
軸索先端内でネトリンの多い側にShootin1が強く活性化する
https://gyazo.com/e748e84efbffd50bde07eba1a9c326bf 2
250:251の濃度差でも検知できる
Shootin1ノックアウトマウスでは、ネトリン濃度の高い方へ軸索誘導できない
Shootin1ノックアウトマウスでは、ネットワーク形成に異常がおこる
https://gyazo.com/dc9ce41cbb803ac10fa8853653741edc 2
野生型では左右の大脳皮質を結ぶ軸索の束ができるが、KOマウスではできない
誘引分子、軸索ガイダンス因子
ネトリン(Netrin)
発生器の脳、脊髄の軸索に対して、誘引作用と反発作用をともに示す成長円錐 - 脳科学辞典.icon
netrin-1:発生器の脊髄底板から分泌され、交連神経軸索は誘引し、運動神経軸索は反発する
ネトリン受容体としてDCCとUNC-5が同定されている
DCCのみが成長円錐に発現→誘引
DCCとUNC-5が成長円錐に共発現→反発
セマフォリン(Semaphorin)
代表的な反発性軸索ガイダンス因子(軸索伸長を妨げる)
現在までに20種類以上の分子が同定され、巨大なファミリーを作っている
構造類似性により8種類に分類されている
分泌型・細胞膜貫通型・細胞膜結合型など
受容体としてニューロピリンとプレキシンの二種類が知られている
スリット(Slit)
分泌型の反発性軸索ガイダンス因子
受容体:Robo
Robo遺伝子に変異をもつショウジョウバエは、軸索の正中交差が過剰になる
この表現型をRoundaboutと呼んだことに由来
エフリン(Ephrin)
反発性軸索ガイダンス因子
細胞膜結合型のephrinA:ephrinA1,ephrinA2,ephrinA3,ephrinA4,ephrinA5
細胞膜貫通型のephrinB:ephrinB1,ephrinB2,ephrinB3
受容体:Ephファミリー
リガンドのephrinに対応してEphA, EphBがある
受容体型チロシンリン酸化酵素(RTPK)の一種
受容体型チロシン脱リン酸化酵素(RPTP)によって活性を制御される
特に網膜-視蓋投射系の神経回路形成に重要
発毛促進作用
薬用毛髪力|ライオン株式会社
モルフォゲン(morphogen)
初期発生において、細胞分化を決定する因子
hedgehog, Wnt, TGF-β, 骨形成因子(BMP)など
軸索ガイダンス因子としても機能する
神経栄養因子
標的細胞から分泌され、神経細胞の分化、軸索伸長、生存維持等の生理活性を持つ
誘引作用をもつことが報告されている
軸索誘導 - Wikipedia 1
神経軸索が正しい方向に伸びる仕組みを解明―進路決定のための高感度ナビゲーターが明らかに―脳疾患の解明や再生医療への応用に期待 | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 2
論文へのリンクのせてほしいyosider.icon
Gradient-reading and mechano-effector machinery for netrin-1-induced axon guidanceGradient-reading and mechano-effector machinery for netrin-1-induced axon guidance.icon
成長円錐 - 脳科学辞典成長円錐 - 脳科学辞典.icon
TODO: 標的認識 - 脳科学辞典