弱視
目の前にあるものは、角膜、水晶体、硝子体を通って、網膜の中心窩(ちゅうしんか:網膜の中で視力が一番良い部分)にピントが合った後に、その情報が視神経を通って脳に伝わります(図1)。
弱視は、この視覚情報が伝わる経路のどこかに支障があるときに生じます。この原因は通常、視力の発達の感受性期(※)に片目または両目に適切な視覚刺激を受け取ることができなかったために視力の発達が止まったり遅れたりすることによります。例えば、後述するように弱視は、生まれたときから3歳くらいまでの間に、片方の目のまぶたがさがったままだったり、黒目の中心の部分が濁っていたり、片方の目の位置がずれていたり、きちんと網膜にピントが合わない場合に起こります。
弱視は、医学的弱視と社会的弱視に分けられます。
*医学的弱視:視力の発達の感受性期に適切な刺激を受け取ることができなかったために生じた弱視で、眼鏡をかけたり訓練をしたりすることで視力が良くなる可能性があります。
*社会的弱視:あらゆる種類の目の病気によって生じた回復困難な視力障害のことをいい、盲や弱視を含めてロービジョンともいわれます。