ミツバチ
ミツバチの採餌行動の巧みさには誠に目を見張るものがある。ミツバチは早朝、花蜜を求めて巣を飛び立つ。花蜜を収穫したミツバチは巣に戻って仲間の養育係に渡し、次の採餌飛行へと飛び立って行く。採餌飛行は夕暮れまで続く。有名な昆虫学者フォン・フリッシュの観察によると、この何げない採餌行動が、花の形、匂い、色、花のある場所、開花する時刻、などについての高度な学習能力に支えられていることを見いだした。ミツバチは、その行動圏の中で、いつ、どこで、どのような花を訪問すれば蜜が得られるのかを熟知していることが分かった。そして更に、しばしば2~3キロも離れた餌場から自分の巣に戻る道筋をすべて覚えており、仲間の他のハチに餌場の方向と距離をミツバチダンスによって伝達するのである。