ホソゴシバチの実験
1952年にティンバーゲンという人がホソゴシバチというジガバチの一種を使って次のような実験を行った。このハチが巣の中にいる間に、地面の巣の周囲に20個の松かさを輪状に置いた。ジガバチは巣を離れる時に数秒間巣のまわりを飛び回り、所在調べをしてから飛び去った。そのあとティンバーゲンは松かさを取り去り、それを同じ配列で少し離れた他の場所に置いた。やがてジガバチが獲物を捕らえて戻って来ると、本当の巣の入り口ではなく輪状に配置した松かさの中心に着地した。ジガバチは巣の入り口のまわりに松かさのあったことを覚えていたのである。