小さく楽しむコツ*
いつも持ち歩き、いつも使う
ワザと少しラフにあつかう。たとえば、ジーンズのポケットやTシャツの襟に挿して歩こう。そして、道で立ち止まってメモしたり、電車をまつホームでスケッチしたり。仕事の会議で記録するのもいいし、研究ノートをつくるのも楽しい。あるいは、電車の中で走り書きしてみたり、旅の途中の空港でのんびり書いてみたり。
そうする内に、手のなかにペンが自然に収まるようになる。すると見えてくる、あの風景がある。こうやっていつも使うのには、ポケットペンと呼ばれる小さいペンや、普段使い用にデザインされた頑丈なペンが便利。 書くのではなく、線を引く
小学校で習った文字の「書き方」を一度忘れてみる。そこから外れてみる。書き順にしばられず、「はらい」や「はね」や「とめ」にとらわれない。文字の形やバランスも、思い切ってくずしてしまう。目の前にある「記号」を、自分にとって楽しい形、書きやすい形にデザインするイメージ。
たとえば数字の「8」。ひと筆書きで左回り?に書いてみたり、右回りに書いてみたり。ひと筆書きを止めて、丸を2つ縦に並べたり、斜めに並べたり。上の丸を小さくしたり大きくしたり、ぴったり同じ大きさにしたり。
楽な持ち方を探すのも大事。たとえばそれは、紙の上に立てたペンに指を添え、ペンの重さで線を引くイメージ。握力は必要最小限に。ペンを立てた方が楽か、寝かせた方が楽しいかも試してみる。
基本は、セクションのグリップ (ボディの一番ニブ寄りの部分) に、親指と人差し指、中指を添えるイメージ。これにも個性があっていい。ニブのぎりぎり上をもつ人もいるし、かなり上側、キャップをとめるネジの部分をもつ人もいる。セクションがニブから離れるほど太くなるデザインが多い。ご存知のとおり、太いほど力をいれずペンを支えることができる。
ペン: たくさんはいらない
自分が気楽に使いつづけられるペンの数を知っておく。自然にどのペンも使うことができて、無理せず手入れが楽しくできる本数。自分がどんなときにペンを使ったり、ペンをゆっくり眺めたりできるか。どれくらいの時間、インクを変えたり、洗浄したりできるかに合わせて変わってくる。
ぼくの場合は3本か2本。長い時間、たくさん書くためのペンと jot down (書き留める) のためのペン。たまにカリグラフィーと絵をかくためのペン。
インク: たくさんあっても困らないけど少なくてもいい
「いつでも」を支えるペンといんく
きっかけとしてのペンとインク