書評「GIGAスクール構想対応 実践事例でわかる!タブレット活用授業」
はじめに、この文章の作者は、小学生と高校生の子供がおり、その保護者の立場から書評を書きます。
小学生の学校では、本書で紹介されるミライシードが使われています。
本書で利用されている教材は、筆者が開発に参加しているベネッセのミライシードが中心となっています。
本書は基本的には教師が読むことが想定されているようで、例えばルーブリックなどの専門用語が説明なしでが出てきます。
また、実際の実践事例も、教師ならすぐわかるのだと思われるようなレベルで簡潔に記述されています。
書名にタブレットという言葉が入っていますが、タブレットでなくノートパソコン型の端末でも使える実践事例が多いです。
実践事例は、全てのページ数の半分ぐらいの分量になっています。
その他のページは、GIGAスクール構想や「主体的・対話的で深い学び」などにつながる説明となっており、この辺りのことにまとまった知識を得るには有用なものとなっています。
実践事例は色々な教科に渡って、単にドリルを利用するなどではなく、応用的な内容が多くなっています。
利用している教科は、中心となる国語・算数・理科・社会だけではなく、技術・美術・音楽・道徳・体育・学級活動など多岐にわたっています。
各実践は、2ページから長くても4ページ程度で簡潔にまとまっています。
一つ気になったのは、プログラミングの実践事例が他の機器(具体的にはドローンのTello)が必要な応用だけになっており、安価だとはいえ追加の費用がかかるため、すぐに実践してみることができないことです。追加費用の必要がないプログラミングの応用例が知りたかったです。
一人一台端末の良いところだけではなく問題点も指摘されており、賛否両論を確認した上で、自分の立ち位置を考えられる内容になっています。
この本を読んで感じたことは、積極的に事例を積み上げている学校(例えば、本書での実践事例が多く紹介されている大阪市立本田小学校)と、私の地域のような他との温度差が感じられるなということです。子供の通っている学校では、Google Workspace for Educationを使うだけ、ミライシードを使うだけという段階で、この本で紹介されている実践事例には程遠いものがあります。この本で紹介されているような実践が子供たちの学校でも行われていけば良いなと感じます。