アジャイルサムライ
2018年のこと。今から5年くらい前になる。ソフトウェアエンジニアとして2年目の真っ最中だった僕は、アジャイル開発ってやつが良さそうだということをどこかで聞きかじって『アジャイルサムライ』を読み始めた。
『アジャイルサムライ』が最後の最後、あとがきで2つの問いを掲げ、「この2つの問いへの答えが『イエス』なら、君はアジャイルだ」と締めくくる。その2つの問いは、
毎週、価値ある成果を届けられているか?
たゆまぬ改善のための努力を惜しまず続けているか?
であった。これを読んだとき、僕は涙を流していた。
この本ではアジャイル開発のコンセプトや実践のための手段が余すことなく解説される。インセプションデッキ、エレベーターピッチといったプロダクトやプロジェクトに関するものや、開発者の視点で単体テストや継続的インテグレーションまで。
アジャイル開発のためのプラクティスや考える視点をこれでもかと言うほど解説する。その解説をすべて終えた上で、あとがきで述べる「本当に大切なこと」はこの2つの問いに収斂される。
この問いはとてもシンプルで、僕の胸に突き刺さったのだ。