不競法5条
不正競争防止法.icon
(損害の額の推定等)
第五条 第二条第一項第一号から第十六号まで又は第二十二号に掲げる不正競争によって営業上の利益を侵害された者(以下この項において「被侵害者」という。)が故意又は過失により自己の営業上の利益を侵害した者(以下この項において「侵害者」という。)に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、侵害者がその侵害の行為を組成した物(電磁的記録を含む。以下この項において同じ。)を譲渡したとき(侵害の行為により生じた物を譲渡したときを含む。)、又はその侵害の行為により生じた役務を提供したときは、次に掲げる額の合計額を、被侵害者が受けた損害の額とすることができる。
一被侵害者がその侵害の行為がなければ販売することができた物又は提供することができた役務の単位数量当たりの利益の額に、侵害者が譲渡した当該物又は提供した当該役務の数量(次号において「譲渡等数量」という。)のうち被侵害者の販売又は提供の能力に応じた数量(同号において「販売等能力相応数量」という。)を超えない部分(その全部又は一部に相当する数量を被侵害者が販売又は提供をすることができないとする事情があるときは、当該事情に相当する数量(同号において「特定数量」という。)を控除した数量)を乗じて得た額
二譲渡等数量のうち販売等能力相応数量を超える数量又は特定数量がある場合におけるこれらの数量に応じた次のイからホまでに掲げる不正競争の区分に応じて当該イからホまでに定める行為に対し受けるべき金銭の額に相当する額(被侵害者が、次のイからホまでに掲げる不正競争の区分に応じて当該イからホまでに定める行為の許諾をし得たと認められない場合を除く。)
イ第二条第一項第一号又は第二号に掲げる不正競争当該侵害に係る商品等表示の使用
ロ第二条第一項第三号に掲げる不正競争当該侵害に係る商品の形態の使用
ハ第二条第一項第四号から第九号までに掲げる不正競争当該侵害に係る営業秘密の使用
ニ第二条第一項第十一号から第十六号までに掲げる不正競争当該侵害に係る限定提供データの使用
ホ第二条第一項第二十二号に掲げる不正競争当該侵害に係る商標の使用
2不正競争によって営業上の利益を侵害された者が故意又は過失により自己の営業上の利益を侵害した者に対しその侵害により自己が受けた損害の賠償を請求する場合において、その者がその侵害の行為により利益を受けているときは、その利益の額は、その営業上の利益を侵害された者が受けた損害の額と推定する。
3第二条第一項第一号から第九号まで、第十一号から第十六号まで、第十九号又は第二十二号に掲げる不正競争によって営業上の利益を侵害された者は、故意又は過失により自己の営業上の利益を侵害した者に対し、次の各号に掲げる不正競争の区分に応じて当該各号に定める行為に対し受けるべき金銭の額に相当する額の金銭を、自己が受けた損害の額としてその賠償を請求することができる。
一第二条第一項第一号又は第二号に掲げる不正競争当該侵害に係る商品等表示の使用
二第二条第一項第三号に掲げる不正競争当該侵害に係る商品の形態の使用
三第二条第一項第四号から第九号までに掲げる不正競争当該侵害に係る営業秘密の使用
四第二条第一項第十一号から第十六号までに掲げる不正競争当該侵害に係る限定提供データの使用
五第二条第一項第十九号に掲げる不正競争当該侵害に係るドメイン名の使用
六第二条第一項第二十二号に掲げる不正競争当該侵害に係る商標の使用
4裁判所は、第一項第二号イからホまで及び前項各号に定める行為に対し受けるべき金銭の額を認定するに当たっては、営業上の利益を侵害された者が、当該行為の対価について、不正競争があったことを前提として当該不正競争をした者との間で合意をするとしたならば、当該営業上の利益を侵害された者が得ることとなるその対価を考慮することができる。
5第三項の規定は、同項に規定する金額を超える損害の賠償の請求を妨げない。この場合において、その営業上の利益を侵害した者に故意又は重大な過失がなかったときは、裁判所は、損害の賠償の額を定めるについて、これを参酌することができる。