パブリシティ権
パブリシティ権が人の肖像等の持つ顧客吸引力の排他的な利用権である以上,顧客吸引力の無断利用を侵害の中核的要素と考えるべき
肖像等の商業的利用一般をパブリシティ権の侵害とすることは 適当でない。
我国にはパブリシティ権について規定した法令が存在せず,人格権に由来する権利として認め得るものである。・・・競走馬の名称等が顧客吸引力を有するとしても,法令等の根拠もなく競走馬の所有者に排他的な使用権等を認めることは相当でないと判示している趣旨が想起されるべきであると思う。
パブリシティ権が認められる類型
1)ブロマイド,グラビア写真のように,肖像等それ自体を独立して鑑賞の対象となる商品等として使用する場合
2)いわゆるキャラクター商品のように,商品等の差別化を図る目的で肖像等を商品等に付する場合
3)肖像等を商品等の広告として使用する場合
これらはいずれも専ら顧客吸引力を利用する目的と認めるべき典型的な類型である・・これらに準ずる程度に顧客吸引力を利用する目的が認められる場合に限定することになれば,パブリシティ権の侵害となる範囲は,かなり明確になるのではないだろうか。