「回路もフローチャートも圏論で!圏論と理工学のハナシ」参考文献一覧
An Invitation to Applied Category Theory : Brendan Fong, David I. Spivak 著. Cambridge University Press.
2023年2月に出た訳書「活躍する圏論」の原著です。応用圏論の全体像を6つの題材を通して眺められます。私の動画内容と直接関係があるのは5章および6章です。圏論を知らなくても読める self-contained な素敵仕様でおススメの一冊です。図や理解度を確かめるための小問が沢山あるのもうれしい。 圏論の歩き方 : 圏論の歩き方委員会 編. 日本評論社.
圏論の 使い方 がたくさん載っている本です。私の動画と直接関係があるのは「第3章 タングルの圏」の内容になります。結び目理論の圏論をギュッとコンパクトにした感じです。しっかりと腰を据えて理論を知るというよりもなんとなくでいいから雰囲気が分かりたいという場合はコチラの方がよい選択肢だと思います。
結び目理論の圏論 : 伊藤昇 著. 日本評論社.
結び目の不変量に関する議論を圏論的な視点から見下ろす本です。簡単ではないですが、非数学徒向けに丁寧に書かれています。
圏論的量子力学 : Chris Heunen, Jamie Vicary 著. 川辺治之 訳. 森北出版.
圏論による量子力学の定式化の入門書です。数学的記述はもちろん、得られた定式化がどんな物理的意味を表しているのか (例えば圏論版のクローン禁止定理など) まで詳しく書いてあります。
Network Theory : John Baez 話
私の投稿動画と同じく、図式とモノイダル圏がどのように関連しあってるのかの大局観をより詳しく話しています。
制御工学を題材に signal-flow graph (ブロック線図) という図式の一種を掘り下げています。
stochastic Petri net と化学反応を題材に、圏論で定式化することによる威力を紹介しています。
情報理論におけるエントロピー (情報量) の圏論的特徴付けを紹介しています。
Categories in Control : John Baez, Jason Erbele 著.
制御工学における signal-flow graph が作り出す圏がどのような性質を持っているかをまとめた論文です。かなり具体的で、活躍する圏論の次にとっつきやすいと思います。
A Categorical Approach to Open and Interconnected Dynamical Systems : Brendan Fong, Pawel Sobocinski, Paolo Rapisarda 著.
システムの controllability の図式を用いた判定について書かれた論文です。圏論による定式化の効力が分かる一例だと思います。
Product-form stationary distributions for deficiency zero chemical reaction networks: David F. Anderson, Gheorghe Craciun, Thomas G. Kurtz 著.
Anderson-Craciun-Kurtz の定理についての論文です。定式化のいいところ3つ目の話はこれを参考にしました。
Higher Operads, Higher Categories : Tom Leinster 著.
ベーシック圏論の原著者 Tom Leinster による operads の入門書。時間を見つけてちまちま読みたいな~と思ってる。