他者排除行為③略奪廉売等
2017-11-14 2限
他者排除行為③略奪廉売等
価格競争奨励との緊張関係
→ コスト割れ要件
コスト割れ要件
一応、行為要件と考えてよい(「コスト割れの廉売」が行為要件)
趣旨
行為者と同等に効率的な競争者の排除
安心して価格競争できるセーフハーバーの設定
H24酒類卸売業者警告事件を見ると論理的にはこちらに分がある
日本には2つの違反類型
ガイドラインも2つあり、両者の連絡はとれている
排除型私的独占ガイドライン
不当廉売ガイドライン
行為要件(コスト割れ)
最初に確認
行為者の価格と行為者の費用の比較
費用が高めに算出されるほど違反となりやすい
価格
コストコ(H27常滑市ガソリン警告)
費用
2つの基準費用
低いほうの費用
廉売対象商品を供給しなければ発生しない費用(可変的性質を持つ費用)
固定費と呼ばれるもののうち、廉売に必要な広告費・人件費などを含む
http://shiraishitadashi.jp/_presen/keynote/AAC_JAAC.jpeg
低いほうの費用を下回ると違反が認定されやすい
2条9項3号の「その供給に要する費用を著しく下回る対価」に該当
高いほうの費用
可変的性質を持つ費用+その商品役務の供給に必要な固定費の残り全て
他の商品役務と共通の固定費は按分して配賦
高いほうの費用を下回らないと違反なし
まとめ図
http://shiraishitadashi.jp/_presen/keynote/ATC_JAAC.jpeg
内部補助
cross-subsidization
H4葉書事件大阪地判
H6葉書事件大阪高判
差別対価の場合
コスト割れを要件としない説
差別対価に悪性が出ている、差別対価がコスト割れを窺わせる、など・・(?)
コスト割れを要件とする説
セーフハーバーの趣旨
支配的事業者を縛ると他の事業者は「潜る」ことで超過利潤獲得可能
関西電力記事
排除効果
排除型私的独占ガイドライン・不当廉売ガイドライン
競争変数が左右される
「recoupment」可能性(埋め合わせ可能性)
私的独占(競争の実質的制限)は埋め合わせ可能性必要
不公正な取引方法(公正競争阻害性)は埋め合わせ可能性不要
正当化理由
公共性
季節外れ商品役務、きずもの、など(?)
読解資料
DOJ単独行為報告書(2008)
GWブッシュ政権の司法省の報告書(違反狭め)なのでオバマ政権に入ってすぐ無効とされたが、検討材料として有用であることは間違いない。
教室ではExecutive Summary のみを見る
この日は、ix頁の「Predatory Pricing」
加えて、xi頁のCh7, Ch8も
全体