チームについて
辞書的・教科書的なページではなく 1natsu.icon のポエムページ。 1natsu.icon ありふれた概念すぎるがゆえに、曖昧なままになることが多いので書く。
___________________
人為的形成
決定権のある人が定義づけするパターン
「このメンバーで一括りにします」として概念が形成されたらチーム発足となる
グルーピングに近く、「集められた者たち」がチームのスタートラインになりがちで、目的や文化や関係性がまだない状態で始まることが多い
自然形成
気づけば集団になっていたパターン
なにかしらの欲求の解消を元に人が集まり増えていきチームになるパターン
目的やモチベーションや文化性がチームのスタートラインでなにかしら存在する
チームがチームであり続けるために不可欠な要素
目的・目標・短期長期のゴール
もしこれらがないなら集まっている意味はなく、まさしく"チーム"の意義がない
失敗するプロジェクトでありがちな「なぜ我々が招集されたんでしょうね」という会話、あるいはそれすらも問えないような嫌な雰囲気の中でチームは形成されない
Wikipediaをみてみる
活動をともに行う集団。共通の目的、達成すべき目標、そのためのやり方を共有し、連帯責任を果たせる補完的なスキルを備えた少人数の集合体を理想とすることがある。
A team is a group of individuals (human or non-human) working together to achieve their goal.
当たり前だが、この当たり前の定義づけが曖昧だとチームであり続けることが難しいのは容易に想像ができる
グループとチームは違う
Wikipediaにも同様の項目があるが、集団に属するメンバーが個々にアウトプットを出し、それが集団のアウトプットの総和になっているのなら、それはグループであってチームではない
関わり合い集団で事を為し、「個別の成果の総和以上の成果の創出ができている」あるいは「個人単体では実現不可能な成果を創出できている」状態の集団がチームと言える
いいチーム・よくないチーム
細かなチェックリスト形式で「これが出来ていればいいチーム、できていなければわるいチーム」というのはちょっと違うと思う
事に向かって関心を寄せ合い『個人プレイではない方法でうまくやる』『解決にむけて集団でまず動く』ということができているチームはいいチームの可能性が高い
「手を動かすべき場面で手を動かし、足で稼ぐべき場面で足で稼ぎ、考えるべき場面で知能を持ち寄る」ができるようになるには寄せ集めの集団では難しく、並大抵の努力では不可能であることの逆説でもある
人の集まりである以上、チームの運営が完璧ある必要はなく、うまくやろうにも置かれた条件やコンテキストに左右されることもある
ソフトウェアアプリケーション・デプロイメント・コンウェイの法則・チーム単位…難しい ソフトウェアアプリケーションの場合
すべての機能・コードをピザ二枚理論に収まる人数では見きれない場合がある バス係数をある程度大きくなるよう担保しないといけないが、多すぎるとチーム内のコミュニケーションや意思疎通のオーバーヘッドが大きくなりトレードオフになる プロダクトが単一のアプリケーションで構成されているわけでもない場合、チームを分割しても相互依存やデプロイメントの複雑性という問題にぶつかることがある
逆コンウェイの法則を徹底するには技術負債(リファクタリングの必要)・評価制度との整合性・コミュニケーションラインの適切な分割・兼任の排除など覚悟を持った組織運営が関わる
チームの解散について
チームはいつか解散するもの
しない場合もあるが、メンバーは入れ替わることはある
何事にも寿命はある
会社・プロジェクト・人・モチベーション…etc すべてに寿命がある
どの寿命が先にやってくるかは状況次第だが、確実になにかが終わるタイミングはやってくる
発足メンバーのまま定めたゴールまで行けたら奇跡
人が抜ける場合、当然悲しくさみしいものである
抜けた人のポジションを補填するしないにかかわらず、メジャーバージョンアップということを認識する必要がある
そのタイミングで改めて『チームがチームであり続けるために不可欠な要素』を再確認する必要がある
そのタイミングである種の新チーム発足くらいであるべきで、以前の物事を引きずらないことが大事
プロジェクトごとなくなったりチームごとなくなったりすることもある
経営上の判断でチームが統廃合されて形態が変わったり、組織上まるごとなくなることもある
この場合も引きずらないことが大事
経験や仲間と過ごした時間や思い出を棚卸しして振り返りをすること とはいえ状況やメンタリティにより出来ないことも多いため、無理はしない
チームにマネージャーは必要か
組織内でチームのある場所や期待値や状況による
マネージャーが不要な可能性があるケース
自然形成されたチームかつ短期でゴールがあり、中長期のチームを意識しなくていい場合
ルールの遵守やビジネスに対する行動や意識のアラインメントやリソースの調整が一切不要な場合
先のことがわからず、全員で走るしかない場合
1natsu.icon シード・シリーズAのスタートアップとかはプレイングマネージャーという形態で無理やりこのパターンに落とし込むケースが多い
なにかしらをアラインメントしなければいけない場合は必要になる可能性がある
ビジネスに対する行動や意識のアラインメント・他部署との認識のアラインメント・リソースやプロジェクトスコープのアラインメント・モチベーションのアラインメントなど
これらをチームメンバーだけで律することが困難な場合は必要なケースかもしれない