影響力の武器
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行動を司る「返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性」。売れ行きが不調だった宝石店で、半額で販売しようとしたら誤って倍額にしてしまったところ、すべて売れた。これは七面鳥の母親の固定的行動パターンの話に近しい(雛鳥の声が出るイタチの人形を受け入れてしまう)。
返報性 「恩恵を与えられたときに、似たような形でお返ししなくてはならない」心理(義務)で、人間社会のルールに深く根ざしおり、人間を集団としてまとめるための相互依存性を生み出している。一見謝罪を意味する「すみません」が、「これでは終わりません」という返報性の原理から恩義の感情を意味する。
一貫性 「一貫性を保ちたい」心理で(以前そのように行動した、以前そのように答えた、=コミットメント、のような)思考の近道を提供し行動を導く。人は自分が外部からの強い圧力なしに、ある行為をする選択を行ったと考えるときに、その行為の責任が自分にあると認めるようになる。フリードマンの実験(22人の子供とおもちゃ)
社会的証明 人は他の人達が何を正しいと考えているかを基準にして物事を判断する。人間は苦労して得たものに好意を持ち価値を感じる。フラタニティと部族社会の加入儀礼などは、集団に属する際に高く評価させ、結束した集団の存続させることに寄与する(新入生をいじめて快感を覚えることが目的ではない)。集団を持続させることに腐心する集団の場合、苦痛を要求する加入儀礼は簡単にはなくならない。
好意 外見のいい人は、才能、親切心、誠実さ、知性といった望ましい特徴を持っていると自動的に考えてしまう傾向にある。他のすべての条件が等しければ、人は自分と同じ性別や文化、地方の人を応援するのは、自分が他の人より優れているということを証明したいということ。自分と結びついた成功が自分を包むことで、公的な威信が高まる。
権威 実験服を着た研究者に、電気ショックを伴う実験を遂行してもらうミルグラムの実験結果は、権威に対する義務感が関係している。看護師は医師の判断に盲目的に従ってしまうことから、医療業界における権力構造が見て取れる。
希少性 等しい価値でも、手に入りにくくなるとその機会がより貴重なものに思えてくる。既にサービスを享受できている状態から、何らかの理由によって接しにくくなると(希少性が増大すると)、その状態に反発し熱心的に入手しようとするようになる(心理的リアクタンス)。