失敗の科学
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妻の口腔外科手術で起こった悲劇
難しくない手術にベテランの医師、対して細かな例外が積み重なった
麻酔を投与したので呼吸器の補助が必要だったが、気管に管が入らない
麻酔医師が駆けつけて援助する。しかし皆動揺して喉を開けようにも中々通らない
ベテランの看護師が喉を切開して気管に管を通す手術を準備して声を掛けるが医師の耳に入らない
ようやく酸素濃度が正常値に戻るも、時既に遅し。昏睡状態になり、数日後に帰らぬ人になった
夫は医師から「例外が起こった、善処した」という説明を受けるも、肝心の部分を欠いている
着陸するために車輪を出した際に、脚下げ位置指示灯が点灯しない異変に機長が気づいて旋回に入った
燃料が逼迫する中で、副機長と航空機関士が胴体着陸などを促すも、車輪のチェックなどに気を取られて耳を貸さない
ついに第四エンジンがフレームアウトしても、動揺している機長は現状を正しく認識できていない
全てのエンジンがフレームアウトしてポートランド郊外に墜落することになった
医療業界と航空業界で起こった、ヒエラルキーがチームワークを失わせる例だが、着目すべきは酷似点ではなく相違点
医療業界は権威とプライドのために失敗を隠す文化がある
対して航空業界は失敗をデータだとみなし、次の失敗を引き起こさないための仕組みがある
強い権限を持った第三者調査機関
飛行機に備わった操縦室の音声を記録する機能
事故後も反省と対策によって事故率は減少していった
クローズドループとオープンループに著しい差がある。暗闇の中でゴルフを練習しても上達しないように、失敗に向き合い試行錯誤を繰り返すことが、成功に必要不可欠である
宗教の大予言を信じる人々が、その予言が事実的に否定された場合にどう反応するのか。教祖への信心を失うどころか、ますます信心深くなった
イギリス警察と検察の例では、冤罪で捕まった人が DNA 鑑定で無実が照明されたが、そのプロセスへの疑いがかかるなどして、晴れて放免されるまで半年かかった
いずれの例も「目の前の事実から目を逸らし、今まで信じてきた自分を否定できない」典型的な例