他者と働く
https://m.media-amazon.com/images/I/41NO8xvWQoL._SY445_SX342_.jpg https://www.amazon.co.jp/dp/4910063013
知識として正しいことと、実践との間には大きな隔たりがある
既存の方法で解決できる問題のことを「技術的問題」(technical problem)、既存の方法で一方的に解決ができない複雑で困難な問題のことを「適応課題」(adaptive challenge)と定義しました
対話とは、一言で言うと「新しい関係性を構築すること」です。
「私は今まで兄が社長にふさわしいかどうかと考えていました。けれど、これからは兄が社長になれるためにどうするか、と自分は考えることにします」
これを変えようとするならば、男女の対等な社会参画という長期的なゴールのために、短期的な合理性をある程度犠牲にする必要が出てくるというギャップが生じています。実際にこのギャップを埋めるために行動を変えようとすることは、それなりに複雑で厄介な問題であると言えるでしょう。
社会構成主義とは、私たちにとっての常識は、常識を共有する人々とのやり取りを通じて作り出され、そのやりとりを通じて常識が再生産されるという考え方です。「現実は社会的に構成されている」という意味で、社会構成主義という呼び名になっています。
1. 準備:相手を問題のある存在ではなく、別のナラティヴの中で意味のある存在として認める
2. 観察:関わる相手の背後にある課題が何かをよく知る
3. 解釈:相手にとって意味のある取り組みは何かを考え
4. 介入:相手の見えていない問題に取り組み、かゆいところに手が届く存在になる
そうした観察を踏まえ、法務担当が会社で取り組んだことは、一度、法務のナラティヴに入ってきてもらう、という方法でした。具体的には、新しく営業で入ってくる人たちに研修をし、営業として実働してもらうよりも前に、契約書類に問題がないかチェックする仕事をやってもらうことにしたのです。
これは、トヨタ生産方式などでも見られる多能工化の取り組みの価値のひとつでもあります。自分よりも後工程を担当すれば、自分の工程でやったことが、後工程にどのような影響を及ぼすかを知ることができます。そうすると、前の工程に戻ったとしても、自分の仕事の見え方が全然違ってきて、取り組み方も変わるというわけです。
「主体性を発揮して欲しい」は実のところ「こちらのナラティブの中で能動的に動いて欲しい」であることがほとんどである
権力を自覚せずに観察することが、観察を失敗させる