人生後半の戦略書
https://m.media-amazon.com/images/I/81Z2dzDHvgL._SL1500_.jpg
ストライバーの呪い。実は、必死の働きによりある分野で卓越した人たちは最終的に、不可避なキャリアの落ち込みに怯え、成功すればするほど満足できなくなっていき、人間関係の希薄さに悩むことになるのです
自分の弱さを否定せず、ありのままに受け止める。 もともとはハードワークの励みになっていたけれど、今では幸福の足かせとなっている要素を手放す。 特別な存在になることをあきらめてでも、幸福になれるライフスタイルを取り入れる。 落ち込みと、さらには死と、正々堂々と向き合う。 世俗的な成功を追うあまり、長年顧みてこなかった人間関係を取り戻す。 ハードワークによって回避しようとしてきた先の見えない変化に、思い切って飛び込む。
言い換えれば、高齢者は、若い頃のような画期的な発案や、素早い問題解決はできないかもしれませんが、既知の概念を使ったり、既知の概念を他者に表現したりするのは相当うまくなっています。他人のアイデアを解釈するのも得意で、ときには発案者本人に、その意味を分かりやすく解説してあげることさえできます。
流動性知能と結晶性知能
ダーウィンはキャリアが落ち込んだ時にどうだったか。いっぽうバッハは自分が作曲家として大成しただけでなく、息子たちや後世に「フーガの技法」を教えてなお成功してきた
人生の後半は、知恵で他者に奉仕しましょう。あなたが最も重要だと思うことを分かち合いながら歳を重ねるのです。何かに秀でているということは、それだけで素晴らしいことなのだから、それ以上の見返りは不要です。そう思って生きていけば、歳を経るほど最高に秀でた存在になれるのです。
足かせとは、「仕事と成功への依存心」、「世俗的な見返りへの執着」、「落ち込みに対する恐怖心」です。
プライドは人を徹底的に腐敗させる凶悪な罪とされています。仏教では、プライドを意味する言葉として、慢という言葉が使われます。これは、自分を高く見て他者を軽視することで結局己を苦しめることになる「慢心」を意味するサンスクリット語に由来します。トマス・アクィナスはこれを、優越性を過度に求める、不幸へ至る欲望と定義しています
真理❶ 人生は、不満がつきものであり、苦(サンスクリット語:dukha)である。
真理❷ その苦は俗事に対する渇望、欲望、執着から生じる。
真理❸ 渇望、欲望、執着を排除することで苦に打ち克てる。
真理❹ 渇望、欲望、執着を排除するには、八正道(サンスクリット語:magga)に従うことである。
「増やしたい」という衝動以上に強力なのが、「減らしたくない」という抵抗感
「死の何が最悪かと言えば、人が死んだら、その人にしてしまった悪行を取り消すことも、その人にしてあげなかった善行をすることも、不可能になることだ。『いつ死んでもいいように生きなさい』と人々は言うが、私ならこう言う。『誰が死んでも後悔しないように生きなさい*11』」。
ヘドニアは快感を覚える幸福。エウダイモニアは意義ある人生を送る幸福です。