バカの壁
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妊娠に関するドキュメンタリーを学生に見せたところ、男子と女子で反応が異なった。女性であれば当事者性があり学ぶ姿勢があった。人間の勝手さを物語るストーリーであり、人間の「知っている」はこの程度ということ。個性を伸ばすというのは欺瞞である。個性というのは生まれた瞬間から given であり、脳ではなく身体に宿っている。マスメディアの発信する情報によって共通了解が増えていくのは自然なことだが、個性を尊重するという言論が増えてきた。文明の発展が共通了解を増やすことならこれは矛盾している。オリジナリティの無責任な美化が横行しており、個性を尊重しながら顔色を伺っているのが実態。NHK が、営利企業が主観でやっていることを公共性を呼ぶのもいかがなものか。
東京大学のとある授業で、2つの頭蓋骨を並べてその違いを生徒に意見してもらった。数学のように画一的な解はないが、ひとつの事象の捉え方は人によって異なる。それを「こちらの方が大きい」だけでは幼稚園児の返答である。養老先生がこれを繰り返し辛辣に指摘していてジワジワくる。