SEの悲鳴
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日本企業の経営層は守りのITを重視する傾向があり、作業の効率化やコスト削減の道具として使うことが多く、技術を駆使して新たなビジネスモデルを創出し、競争優位性を確立する攻めのITに対する意識が欠如しています。
日本企業には、ITに対する過度な期待から、システムがすべての問題を解決してくれるという思い込みが見られます。多くのエンドユーザーは、ITの専門知識をもたないにもかかわらず、「IT化すれば業務が劇的に改善する」といった漠然とした期待を抱いています。
下請け企業のエンジニアは長時間労働や低賃金を強いられ、キャリアアップの機会も乏しいのが実情です。多重下請け構造は、コスト削減の合理性と、労働条件の悪化という負の側面を併せもっているのです。
日本のIT業界に多重下請け構造が定着した背景には、バブル経済期の影響があります。当時は情報化の波に乗り、金融や製造業を中心に大規模システム投資が相次いだ時期でした。バブル期には、大手SIerが大企業から大規模プロジェクトを受注し、膨大な開発需要が生まれました。しかし大手SIerの受注一つとっても、開発規模が膨大すぎて単独では人的リソースが不足し、下請け企業に外注せざるを得なかったのです。さらに、下請け企業も開発規模に見合った人員を確保できず、三次請けや四次請けにも業務が下りていく構造が生まれていきました。 多重下請け構造はこうして形成され、1990年代以降、日本のIT業界に深く根付きました。ITバブル崩壊後も、この構造は効率化やコスト削減の手段として存続しています。
リスクをとりたくないエンドユーザーの心理と、リスクを避けつつ高収益を上げたいSIer、安定した経営を求めるSESの思惑によって多重下請け構造は温存されてきました。