RANGE
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タスクが「全体的な戦略」というオープンな世界に移るほど、人間の役割は増す。人間の強みは、狭い範囲の専門特化とは正反対であり、幅広い知識を統合することである。
タイガー・ウッズは幼少期から並外れた運動神経で、ゴルフの英才教育を叩き込まれた。ポルガー姉妹は教育熱心な親によりチェスの英才教育を叩き込まれた。反復練習により専門性を磨くことには「強固な統計的規則性 」になるが、ルールがなる世界では柔軟性を発揮できない。AI の特性がまさにそこにあり、同じ世界一のスポーツプレイヤーでもロジャー・フェデラーとは性質が異なる。
LinkedIn や Medium などのプラットフォームには、裏付けのない学習テクニックが並んでいる。科学者と教師に依頼し、科学的な裏付けのあるテクニックを報告してもらったところ、「間隔を開ける」「テストをする」「関係を認識する問題を用いる 」だった。
教育経済学に照らしてみても、40 年前は「 解法を教えること」が学力向上に効果があったが、当時はタイピングやファイリング、組み立てのライン工といったやり方が決まっている単純作業が主だったからで、業務をはじめ様々なことが複雑化している現代では労働者に求める能力が変化しており、時々の状況に応じた判断が求められる。
最も重要な知識や見聞は、ゆっくりと身につける必要がある。その重要な知識とは、「そもそもあなたは何に取り組むべきなのか」「何があなたに合っているのか」。
NASA の組織的失敗の話は失敗の本質と似ている。