結晶性知能と流動性知能
語彙や常識などの知識は成人期を通じて増え続ける。このような経験と知識の豊かさや正確さと結びついた能力を結晶性知能と呼び、学校教育や社会経験によって学習すると考えられている。業務処理の知識や仕事のスキルは、まさに結晶性知能そのものである。これに対して、図形処理のように情報を獲得し、処理する能力は 30歳くらいで頂点に近づき、40歳頃から低下するという。こうした能力を流動性知能というが、どちらかというと生得的な能力である。われわれが自覚する能力の低下は、たぶん流動性知能なのだろう。 結晶性知能は成人後も上昇し続けて 60代くらいで頂点を迎え、それから徐々に低下する。高齢者が再就職しようとする時、新たな仕事を学習することは困難なので、経験を活かすべきだと言われるが、これは理に適ったことだと考えられた。しかし近年の認知心理学研究によって、結晶性知能がどのように使われるのかを考えると、そうとばかりは言えなくなってきた。 https://www.tyojyu.or.jp/net/topics/imgs/fig1_koureikiniokeruchinounokareihenka.png
知能の複数の下位側面(佐藤眞一(2006)2)より引用)
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