ヴィパッサナー瞑想
概要
仏教由来の伝統的な瞑想法。パーリ語で「ありのままに観る」「明晰な洞察」の意。
仏陀自身が悟りに用いたとされる、現存する最古の瞑想技法のひとつ。
実践方法
2. 体全体のスキャン:頭頂から足先まで順に、感覚(かゆみ・痛み・振動・温冷)を判断せず観察
3. 「すべての感覚は生じては消える」ことを体感的に理解する
心地よい感覚に執着せず、不快な感覚にも嫌悪を示さず、淡々と観察する
10日間コース
ゴエンカ氏が世界中に広めた合宿形式。日本にも京都・千葉にセンターあり。
参加費無料(過去受講者の寄付で運営)
聖なる沈黙(ノーブル・サイレンス):会話・アイコンタクト・身振り禁止
スマホ・本・筆記具・ヨガ・宗教儀式すべて禁止
毎日朝4時起床、計10時間の瞑想
菜食、新参者は朝・昼の2食のみ
他の系譜
マハーシ・サヤドー(ミャンマー):ラベリング法(「歩いている、歩いている」と心の中で確認) 効果(伝統的)
怒り・執着・恐れといった反応的感情に振り回されにくくなる
好き嫌いで即座に判断する癖から距離が取れる
自分自身や他者への慈悲が深まる
ゴエンカ氏は「人生の技法(art of living)」と表現
効果(科学的研究)
メンタルヘルス
ストレス・不安・うつ症状の軽減
反芻思考(ぐるぐる思考)の減少
MBSR(マインドフルネスストレス低減法)・MBCT(マインドフルネス認知療法)はヴィパッサナーがベース 認知機能
注意力・集中力・ワーキングメモリの改善
感情調整能力の向上
脳・身体
前頭前皮質・海馬の灰白質密度が高い傾向(サラ・ラザーらの研究) 扁桃体活動の低下
血圧低下、睡眠の質改善、慢性炎症マーカー低下
研究の限界
サンプルサイズや対照群設計に方法論的弱さ
効果量は中程度のものが多い
ネガティブな側面
近年「meditation-related difficulties(瞑想関連困難)」として研究が進む(ウィロビー・ブリトンらブラウン大) 不安の悪化、解離感、抑うつ、トラウマ記憶の想起、不眠、現実感喪失
集中合宿で過去のトラウマや抑圧した感情が表面化することがある
精神疾患の既往やトラウマがある人は特に注意
伝統的に「ダーク・ナイト」と呼ばれる深い不安・虚無感の段階の存在も再注目 まとめ
ライトな効能から根本的な変容まで効果の幅は広い
ただし誰にでも合うわけではない
集中合宿に飛び込む前にメンタル状態を確認するのが推奨