自分の考えるゲーム開発サイクルと技術
全体の流れ
1.コンセプションフェーズ
誰が?
ディレクター
何をする?
アイデアのコアとなる疑問や欲求を掘り下げてまとめる。(なぜ?もし?~だったら?)
プレイヤーに体験させたいコアなアイデアを定める。
成果物
企画書(簡単な言葉で説明できるもの、何をやりたいのか?どこがコアか明瞭なもの)
デモ(ビルドや動画など)
開発計画草案(企画開発のアイデアが最低限みえる状態、制約、スピードと規模感、リリースタイミング)
使ってみたい手法は?
インセプションデッキ
2.PoC(Proof of Concept)フェーズ
誰が?
ディレクター
極少数の検証メンバー(プログラマー、アーティスト、デザイナー)
何をする?
立案した企画のコアデザインを検証して仮説を証明する。(果たして本当に面白いのか?を確認する)
体験の検証をする。(システムの実装は必須ではない。疑似体験をする最も低コストで早い方法をとる)
証明の結果、企画に問題があれば企画立案フェーズに戻る。(決してうやむやに前へ進めないこと)
成果物
検証結果(わかったこと、ジャッジ、改善点)
検証手段(再現性のある方が良い、プロトタイプビルド、モック)
使ってみたい手法は?
ゲームエンジン
ユーザーテスト
アジャイル(スクラム、モブワーク)
3.ハイレベルデザインフェーズ
誰が?
ディレククター、アートディレクター、プロジェクトマネージャー
リードデザイナー、リードプログラマー、リードアーティスト
何をする?
証明されたコンセプトに肉付けをしていく。企画を具体化するのに最も適したコアデザインを固める。
サブ要素を含めたゲームサイクル、アートコンセプト、グラフィックコンセプト、世界観、ストーリーテーマ。
チームビルディング。(コンセプト共有済みで意見の言い合えるチームの構築)
成果物
ゲーム概要書(ゲームコンセプト、ゲーム要素やボリュームが想像できるもの)
コンセプトアート(ゲーム内の場所や人や情景が想像できるもの)
ストーリープロット(ゲームのあらすじが想像できるもの)
グランドデザイン(デザインガイドラインなどデザインの方向性がわかるもの)
テクノロジー戦略(エンジン、ツール、インフラ、どのような技術を使うか?)
チャレンジミッション(デザイン、テクノロジー、マネジメントなど各挑戦)
基本的な開発環境(チャット、バージョン管理、チームの部屋、機材)
予算計画書(何にどれくらいのコストをかけるのか?などマーケティング込みで戦略を示す)
使ってみたい手法は?
コンセプトの階層化(ハイレベルコンセプト、ミッド、ロー)
ロケハン
合宿
コンセプトアートをプリントアウトして飾る
4.プロトタイプフェーズ
誰が?
ディレクションチーム+極少数の実装メンバー
何をする
キーフィーチャーの検証実装行い、ハイレベルデザインを評価する。(遊び、見た目、手法などの問題を見つける)
とにかく早いサイクルでプレイアブルなビルドを作りテストプレイする。(評価できないものを量産しない)
量産を開始する前に、まったくやったことがないという作業を減らす。(リスク削減)
量産チームの構築を開始する。
使ってみたい手法は?
スクラム、チケット駆動
全員でレビュー
5.プリプロダクションフェーズ
誰が?
ディレクションチーム+少数の実装メンバー(全セクションにサブリーダークラスが最低一人はいる状態)
何をする?
ゲームの1サイクルを製品クオリティで作成する。
ハイレベルなグラフィックゴールを実装する。
1サイクルプレイによるゲームデザイン見直し。グラフィック実装と合わせたデザイン見直し。
製品クオリティを量産するための詳細設計と計画を行う。(最終予算の確定、量産開始が出来る状態)
実機テスト
使ってみたい手法は?
スクラム、チケット駆動、CI
プリプロまで検証や実装できなかった要素はベータ以降に先送りする。(最悪やらない)
シュリンク計画。(プリプロ以降で着地に問題が起きたら何をカットしていくか?判断タイミング)
6.プロダクション:アルファフェーズ
誰が?
開発フルメンバー(+アウトソース)
何をする?
ゲームの本開発。(調整も並行してやる、メインフローに注力)
必須データの全作成。(システム、グラフィック、イベント、最低限のサウンド)
ゲームの評価(面白さ、インパクト、ボリューム、安定性)
ベータフェーズの作業計画(継続するか、仕様変更するか、追加検証するか、カットするか、など)
処理負荷の監視と対策(問題なし、少しオーバー、明らかにオーバーなど区別)
倫理チェック、翻訳
使ってみたい手法は?
スクラム、チケット駆動、CI、自動テスト
定期的なレビュー、外部のテストプレイ(国内、海外)
7.プロダクション:ベータフェーズ
誰が?
開発フルメンバー
何をする?
ゲームのポリッシュ(アルファまでに作成したデータを基本的に使って追加作業で仕上げる)
処理負荷の最終調整(アルファまで行ってきた対策で改善できていない箇所の特別対処)
倫理チェック、翻訳
使ってみたい手法は?
スクラム、チケット駆動、CI、自動テスト
定期的なレビュー、外部のテストプレイ(国内、海外)
トリアージ
8.マスターフェーズ
誰が?
ディレクター、リード、最適化や調整に必要なメンバー
何をする?
ゲームの不具合を修正してマスターアップさせる。
テスト用資料作成、デバッグ、不具合対応。
使ってみたい手法は?
チケット駆動(BTS)、CI、自動テスト