デスマーチが起きる理由 - 3つの指標 を読んで
デスマーチが起きる理由 - 3つの指標
昨夜から上記の記事を読んで非常に楽しくなっている。
内容的にはザ・ゴールのソフトウェア開発版というストーリー。
つまりTOC(theory of constraints)の話です。
抜粋すると下記のようなポイントがあります。
ポイント1:
プロジェクトを損益(利益または損失)で評価する場合、
損益を算出するためにプロジェクト単位にコスト(変動費と固定費)を集計する。
というのは間違っている。
ポイント2:
固定費はプロジェクトの損益算出の要素に含めるべきではない。
プロジェクトの損益は「売上から変動費を引いた結果」で管理するべき。
その結果のことを「スループット」と呼ぶ。
ポイント3:
マネジメントの目的は期間あたりのスループットの最大化である。
マネージャの指標は、 『在庫』『経費』『スループット』の3つのだけ。
在庫とは、売上(お金)に変わらない状態の仕掛品。(未完成のコード、未実装のアセット...etc)
経費とは、売上(お金)に変わらない支出。(開発者向け資料、機材...etc)
スループットが大きく増えるのであれば、経費が多少増えても良い』という、考え方の転換も必要になる。
ポイント4:
開発者の評価を稼働率だけで行うことは正しくない。
手の早い優秀な開発者ほど作業あたりの評価は下がっていく。
「評価基準は目的を達成するための手段」であり、「成果主義」でもない。
ザ・ゴールは製造業を背景にした話で、ソフトウェア産業の人にはイメージしにくい部分がありました。
上記の記事ではよりイメージしやすく、周辺知識がつながるような内容になっています。
記事にもあるテスト駆動開発、これらを含めてアジャイルとういうマインドセットが、
同じような視点で考えられているのだと気づけます。
開発者自身、お客さんが本当に欲しいものを作りたい。(つまり売上がたつ)
資料より動くもの。常にリリース可能。(つまり評価可能)
顧客を巻き込む。(ステークホルダー、横断的に利害関係者と連携する)
上記の記事で否定されていることは一定規模の会社で起きやすいと思います。
セクショナリズムを強め(サイロ化)、実力を隠す体質(早く終わらせると辛い)を生んでしまいます。
ここ最近見かける「イノベーションを産むためには余裕が必要」という部分にも関係していそうです。
Googleの「20%ルール」という文化が一時話題になりました。
最近のGoogleからは「心理的安全性」「OKR」というキーワードが出てきています。
私も受託という立場で複数の案件に関わることが増えてきました。
自分の作った「余裕(残余時間)」をどう使えるか?その重要さに気付いてきました。
今は「与えられた作業を早く終えられたら、残余時間は自分のやりたいプロジェクトをやって良い」
「そのプロジェクトは自分が立ち上げてもいいし、他の人のプロジェクトでもいい」
こういう環境がいいのかなと考えています。
既に私(我々)はその先へ行っていますよ。という方も多いような気もします。
既にそこは通過していて今はこうしていますよ。という方も多いような気もします。
この記事に同じく関心を持たれた方、その先にいる方と今後話がしたいな~と思いました。
(という気持ちになったので忘れないように書いた)