圏論②
モノイド
対象がただ一つである圏をモノイド(monoid)と呼び、モノイドにおける恒等射は単位元(unit)と呼ばれる
例:代数
モノイドは対象が一つしかなく、その対象自体も恒等射と同一視できる。これにより、モノイドは射の集合と考えることができる。モノイドが射の集合であるということは、モノイド間の写像を考えることができる
モノイドMにおいて、その要素の合成を$ \circ {}_M 、単位元を$ 1_Mと表す
モノイド$ M, M'において始域を$ M、終域を$ M'とする写像$ fを考える
Mの任意の要素a, bについて$ f(a \circ {}_M b) = f(a) \circ {}_{M'} f(b)
$ f(1_M) = 1_{M'}
が成り立つような写像$ fをモノイド準同型という
また、モノイド$ Mはその合成を$ \circ {}_M、単位元を$ 1_M、射の集合を 再び$ Mとして次のように表すことができる
$ \langle M, \circ {}_M, 1_M \rangle
例:
指数関数はモノイド$ \langle \mathbb{R}, +, 0 \rangleから$ \langle \mathbb{R_{>0}}, \times, 1 \rangleへのモノイド準同型である
指数関数$ fはすべての実数$ xについて$ f(x) > 0であり、実数$ a, bについて$ f(a + b) = f(a) \times f(b)で、$ f(0) = 1である
対数関数はモノイド$ \langle \mathbb{R_{>0}}, \times, 1 \rangleから$ \langle \mathbb{R}, +, 0 \rangleへのモノイド準同型である
対数関数$ gは正の実数$ xについて$ f(x) \in \mathbb{R}であり、実数$ a,bについて$ f(a \times b) = f(a) + f(b)で、$ f(1) = 0である
また、対数関数$ gは指数関数$ fの逆射である
モノイドの圏 Mon
モノイドを対象とし、モノイド準同型を射とする圏のこと